1990-03-31 | 魯聖鎬

[寄稿]住宅価格安定化への提言 魯聖鎬〈産業研究院研究委員〉

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人が生きていくうえで基本的に充足されなければならないのが衣・食・住である。幸い、我々はこれまでの経済成長の果実のおかげで衣と食の問題はある程度解決されたとみることができる。しかし住宅問題だけは解決どころか、続く住宅価格およびチョンセ価格の上昇によって都市の零細民のマイホーム取得はますます難しくなっている。 今年に入って再びチョンセ価格が大きく暴騰することで、一般住宅およびマンション価格の同伴上昇を後押しするなど、住宅の投機化の兆しが鮮明になっている。これに対し政府は、従来同様、住宅賃貸登録制、賃貸借紛争調整委員会の設置、不当な賃貸借に対する税務調査など、チョンセおよび月払い賃貸の安定に向けた緊急処方を打ち出している。また根本的な問題は住宅供給の不足にあるとみて、賃貸マンション建設の促進など各種の供給対策も用意しているようだ。 こうした政府の住宅価格安定に向けた緊急処方と対策が早急に確定され、チョンセ価格と住宅価格が安定することを願う気持ちは切実だが、「カエルがどこへ跳ぶか分からない」という心配を払いのけられない心情である。今回用意された各種の緊急処方は、ある程度の副作用にもかかわらず、こうしたチョンセ価格の暴騰を緩和するうえで多少の効果があるとみられ、何よりも中長期的な住宅供給拡大政策にかける期待が大きい。 この機に、我が国の住宅政策当局に対し、短期的に住宅価格安定への効果が大きく、数年おきに再燃する住宅価格の暴騰を未然に防止できる中期対策を緊急提案したい。こうした提案の背景は、多分に住宅という財貨に対する需要と供給の特性を重視した基礎的な経済理論に根拠を置く。 まず我が国の住宅需要の特性をみると、▲大都市を中心とした無住宅者の需要▲所得増加に伴う住宅規模を広げていく需要▲学群などを考慮した子女教育のための移り住み需要など、いわゆる居住を目的とした合理的な住宅需要が挙げられ、資産増殖のための投資需要ないし投機需要が常に待機している。 一方、我が国の住宅供給の特性は、民間建設部門に主に依存しつつ、景気、特に不動産投機の熱気に合わせて住宅建設物量を増やしたり減らしたりするなど、安定的な供給をしてこられなかったのが事実である。また政府の対策が不動産景気に合わせられているため、ある地域でマンションの未分譲が出ると民間建設業者は資金運用を心配して直ちに住宅建設を止めることになる。3〜4年前にもソウルのマンションが未分譲となると、民間建設業者が住宅建設を大幅に減らしたことを記憶している。 このような我が国の住宅市場が持つ需要と供給の間の時差的不均衡によって、数年おきに一度住宅価格の暴騰現象が引き起こされてきたのであり、これを調整できる住宅政策が用意されなければ、今日の住宅価格・チョンセ価格の問題だけでなく、今後もこの問題は続けて我々を苦しめる問題として残らざるを得ない。 それならば、こうした我が国の住宅市場の時差的需給不均衡を解消して住宅価格の安定を図り、それを通じて居住目的ではない資産増殖のための投機需要を抑え込むことのできる方策は何か。 第一に、住宅の安定的供給のために「建設景気低迷時の政府の民間建設促進制度」を新設する必要がある。住宅市場に相当な物量の住宅が常時供給されているならば、住宅価格の安定に画期的な助けとなり得る。その方法は、不動産景気が低迷する時に民間建設業者が建設する住宅を政府または代理機関が引き受け・購買することで、民間部門の住宅建設を景気に関係なく促進していくことである。こうなれば、資産増殖のための投機需要は容易には起こらないだろう。 住宅投機をしても残るものがほとんどなければ、資金が集まるはずがないからである。その規模は8万〜10万戸あればよく、引き受けた住宅は無住宅者を中心に賃貸していくとした場合、5年程度で毎年2000億〜3000億ウォンの資金が造成されれば可能だと判断される。 第二に、1世帯多住宅の譲渡所得税を3〜4カ月間、限時的に減免して短期的に住宅供給物量を増やす必要がある。もちろんこれに伴い政府政策の信頼性に多少の問題が提起され得るが、そうした一定期間後には1世帯多住宅所有者に対しては登録による賃貸所得税を重課すると同時に、これをチョンセや月払い賃貸で暮らす人に転嫁できないようにする強力な制度構築が裏付けられなければならない。こうなれば相当量の住宅が市場に供給され、上がる住宅価格は再び安定を取り戻すだろう。 第三に、一定規模以上(専用面積30〜35坪)の「広げていく需要」に対しては、住宅供給価格の自律化を果敢に実施しなければならない。民間部門の住宅建設を景気に敏感でない形で促進させるためには、住宅市場の価格調節機能を高めなければならない。一方、無住宅者向けの小型の分譲住宅や賃貸住宅は公共部門が主導し、200万戸建設などの計画に合わせて持続的に供給しなければならず、民間部門でも一定限度の中小型住宅建設が義務化されなければならない。 第四に、住宅仲介市場の公正性を高めなければならない。一部先進国のように仲介市場の公営化を検討することもできるが、今の段階では大型仲介業者に対する仲介料を大きく引き下げて収益を低くすることにより、不動産仲介業者の乱立を防ぐ必要がある。また一方で、これら不動産仲介業者の営業地域を制限する必要がある。なぜなら、こうした不動産仲介業者はこれまで住宅および不動産市場における投機および価格の歪みに対する責任が大きいからである。 第五に、これまで住宅および賃貸価格暴騰の震源地は大都市、特にソウル江南の8学群地域であった。今回のチョンセ・月払い賃貸価格の暴騰もこの地域から始まった。したがって政府はこれまでの供給拡大政策にのみ縛られず、住宅も総需要管理政策を併せて実施しなければならないだろう。 先にみたように、我が国の住宅需要のうち無住宅者のマイホーム取得需要、中小型規模への広げていく需要などに対しては、政府の需要管理政策は難しいとみる。しかしソウル江南の8学群地域への子女教育のための移り住み需要と、これに伴う住宅価格暴騰は、その需要を管理しなければならない。その方法は誰もが知っていながら施行していない広域学群制の早急な実施が最も早く確実な方法である。昨年中にも広域学群制を実施するとして公聴会を開くなど□□□□□したりもしたが、いつの間にか消えてしまった。今年もこれを避けていては、どのような結果を招くか分からない。