1990-05-31 | 金仁榮

すぐに「財源確保」…準租税が加重

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交通部が30日に立法予告した地下鉄公債の拡大発行方策は、日々悪化している大都市の交通難の緩和のための不可避な措置だという側面と、自家用車の実需要者である中産層に車両価格の引き上げなどの負担を転嫁するという否定的な側面を同時に内包している。 交通部は地下鉄公債の購入額引き上げの理由として、都市交通難を解消する道は地下鉄を建設することだけであり、これに要する膨大な投資財源を用意するために中央政府や市の一般財政に依存することにも限界があり、原因提供者負担の原則に従って公債購入を増やすほかないと説明している。 交通部関係者はこれに関連し、『大都市の交通問題の根本原因は自家用車が急増していることにある』とし、『自家用車を所有できない一般庶民が地下鉄・市内バスなど大衆交通手段を利用する際、自家用車所有者よりさらに被害を受ける』と明らかにしている。 結局、交通部の見解は、交通難をもたらす自家用車所有者が負担して自家用車を持てない庶民の交通施設を確保し、富の公平な分配と交通難の解消を同時に達成するという立場である。 しかし今回の公債拡大発行計画は、肯定的な側面よりも消費者の激しい反発にぶつかる公算が大きい。 政府が鉄道・バスなど公共料金を一切凍結して物価を抑えると意気込んでいる折に、地下鉄公債の購入を増やして実質的な車両価格を引き上げたのは、政策の基調自体に矛盾を示すことになる。課税標準額が596万ウォンのルマンの場合、公債購入額が17万5000ウォン増えるが、現行の債券割引率43%を適用すると9万5000ウォンほど車両価格が上がる。自動車を買える程度の水準の人ならこの程度は負担すべきだというのが交通部当局者の持論だが、自動車購入者としては理不尽だという反応が出るのは明らかだ。消費者負担の原則ではなく原因者負担の原則により、準租税的性格の公債を強制的に買わされる消費者は、公債購入引き上げ措置に少なからず反発することが予想される。 また政府の交通財源確保策にも問題がある。消費者にのみ負担を転嫁する措置を下したのは今回が初めてではない。昨年の定期国会で否決された都心通行税を交通部は今年も再び取り上げると機会があるたびに明らかにしており、油類税の一部を交通特別会計に編入する計画だが、石油類税を引き上げずには会計編入が不可能な実情である。車を持つ人が登録をし、燃料を使い、都心を通過するたびに税金を取って土を掘り地下鉄を建設するという発想である。 しかし交通関連の政府財源のうち、道路建設・地下鉄拡充に使われず的外れなところに使われる財源があるという点を考えると、原因者負担の原則による財源確保は妥当性を失う。交通警察が道路交通違反者に課す反則金が法院・検察庁舎を建てるのに使われ、輸入石油の30%程度が自動車の燃料として使われているにもかかわらず、石油事業基金のうち一銭も交通会計に編入されていない。 したがって今回の地下鉄公債購入額の大幅引き上げ方策が自動車消費者に説得力を持つためには、交通投資財源の確保策からして合理的に設定されなければならない。石油事業基金を転用できないという動力資源部や、反則金を移管できないという内務部などの反対にぶつかり、結局おとなしい消費者にのみ税を課すことはできない。 今回の公債拡大発行方策はソウル・釜山など車両登録時に地下鉄公債を購入してきた地域に限って施行されるが、他の地域でも何らかの形で公債を発行し、全国的に車両価格の上昇を招く懸念も生んでいる。 また公債購入額が大幅に引き上げられる前に自家用車を買わなければという需要者が今年末まで押し寄せ、仮需要現象が生じる見通しである。 いずれにせよ交通部が立法予告した地下鉄公債購入額の引き上げ方策は、交通難解決のための対策を立てる中での苦肉之策の結果といえよう。しかし給与の引き上げも1桁に抑制している中で車両価格を間接的に上げる措置であるため、法案推進の過程で相当部分が修正されるものとみられる。【金仁榮記者】