1990-05-31 | 許斗永, 安度林

科学の神秘…「人知機能第5世代」に進入

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数は人類が作り出した最初の認識道具であり、数字は最も広く使われる符号である。 数に対する認識は指を折ることから始まる。 デジタル(Digital)という用語は、もともと指を意味するDigという言葉から派生した。 人間が生活の中で目で判別できる数は2桁以内であり、大部分は3桁を超えられない。 したがって人間は判別できない数を「多い」または「非常に多い」といった形でアナログ(Analog)的な概念で呼ぶ。 判別可能な数はおおむね2桁以内だが、認識可能な数は人智の発達とともに大きく増えた。 科学技術の歴史は、人類の数に対する挑戦の歴史である。 したがって人類は早くから、手で一つ一つ煩雑に計算するのではなく、機械や道具で計算する方法について考えてきた。 その代表的な例が算盤である。 西洋における計算のための機械の発明は17世紀初めにさかのぼる。 まず1622年に英国のオートレッドが、アナログ型計算機の始まりといえる計算尺を発明した。 1642年にはフランスのパスカルが最初の機械式計算機を発明し、この時から計算のための機械の歴史が始まった。 その後1890年、米国のホレリスが国勢調査の集計用に穿孔カードを利用した統計機械であるPCS(Punched Card System)を開発した。(これが現在の米IBMの始まり) PCSは基本的に機械式であるため、電子式によるコンピューターの前身とみることはできない。 世界初のコンピューターが登場したのは1946年。 米ペンシルベニア大学のエッカートとモークリーは、米国防省のマンハッタン計画の一環として弾道計算に使われるENIAC(Electronic Numerical Intergrator And Calculator)を開発し、コンピューター時代の幕を開いた。 ENIACは1万8800個の真空管を使い、50万個の配線を手で一つずつはんだ付けして作った電子計算機で、1秒に1000回以上の演算ができたが、重量30トン、長さ30mと小さな体育館規模であり、その発熱量は6階建ての建物を十分に暖房できるほどだったという。 ENIACはもともと調査用に開発されたものだったため長く実用化されず、1951年に商用コンピューターであるUNIVAC-Ⅰが登場し、本格的なコンピューター時代を宣言した。 それから40年も経たない現在は、UNIVACより優れた性能の個人用コンピューターが開発され、小さな机の上で性能を発揮しており、カバンサイズの携帯用コンピューターや財布サイズのノートブックPCも登場し、まさにコンピューターの春秋戦国時代が到来した。 コンピューターは次の5項目を基本的に採用している。 ▲コンピューターはいずれもその中心部分である加算・乗算装置を計量式ではなく計数式とする。 ▲高速計算を行うため、スイッチング動作は歯車や継電器などの機械式ではなく電子式とする。 ▲計算は2進法を利用する。 ▲演算はすべてコンピューター内部で処理し、人の手を必要とせず、論理的計算はコンピューターが自ら行う。 ▲データを蓄積できる記憶装置を備える。 一方、米国の天才学者フォン・ノイマンは、計算命令をデータと同様に記憶装置に記憶させるプログラム内蔵方式を考案し、コンピューターの基本構造を完成させた。 第1世代コンピューターは真空管を論理素子、磁気ドラムを記憶素子として採用したもので、単に計算だけを人間の代わりに行う水準だった。 したがって実用化され始めたコンピューターは第2世代コンピューターで、真空管の代わりにトランジスタを、磁気ドラムの代わりに磁気コアを使用した。 第2世代コンピューターは単純な計算を高速処理するだけでなく、データ処理を高速で遂行でき、科学技術用のみならず事務計算用にも活用された。 第2世代がコンピューターの初期利用段階から普及期への移行過程だとすれば、第3世代はコンピューター利用の発展段階といえる。 第3世代コンピューターの特徴は集積回路(IC)を採用したこと。 このICの集積度が大きく増加するにつれLSI・VLSIへと発展し、コンピューターの小型化を主導した。 また第3世代コンピューターから通信技術が応用され、オンラインリアルタイム処理(On-Line Realtime Processing)が実用化され始めた。 同時にこの時代には、コンピューター利用そのものについても考え方の変化が起きた。 経営情報システム(MIS: Management Information System)ブームがまさにそれである。 以前のコンピューターは主に電子計算やEDPS(Electronic Data Processing System)と呼ばれる大型算盤のような事務処理専用機械としてのみ認識されていたが、ハードウエアおよびソフトウエアの発展に伴い、コンピューターは最高経営者が自ら意思決定を行うために利用する道具として浮上した。 第3世代コンピューターの次は第4世代コンピューターだが、その間が長く技術的進歩が著しいため、第3.5世代を挟み込むこともある。 第3.5世代コンピューターの特徴は、記憶素子にICを、論理素子にLSIを使用したこと。 ICはトランジスタを100個程度集積させて1チップ化したもので、これをさらに何個か集積させたものがLSI。 集積度が高まると処理速度が速くなり、製造コストが減ることになった。 こうした半導体技術に支えられ、3.5世代コンピューターは利用分野の面で明確な変化を見せている。 対話型オンライン処理と仮想記憶方式がまさにそれである。 現在のコンピューターを第4世代コンピューターという。 第4世代コンピューターはVLSIを記憶素子として採用し、本体が小型化され、記憶容量が大きく増加した点にある。 同時にLSIやVLSI技術の発達によりマイクロプロセッサーが広く使われ、これを採用した事務用機器も登場した。 またコンピューターがワードプロセッサーまたは多機能端末機として使われ、通信と結合したネットワークが実用化されたことが特徴。 これとともに補助記憶装置であるディスク装置が大容量化し、データを大量に集中管理するデータベースが実用化され、このデータベースは大型コンピューターのみならず個人用コンピューターでも応用されるに至った。 これに伴い、第4世代に入ってコンピューターの利用段階も高度化した。 業務別にみると、大量のデータを処理することから経営のための判断業務へと高度化し、意思決定の領域まで拡張された。 また意思決定支援システム(DSS: Decision Support System)などが登場し、コンピューターの活用分野は次第に経営計画や経営戦略部門へと高度化している。 一方、従来のような手続き型言語でプログラムを組むだけでは不十分であり、これに代わる論理型言語も開発され、最近ではエキスパートシステム(Expert System)分野へと研究が進められている。 現在の段階は第4世代だが、近い将来に第5世代コンピューターが登場するものと注目されている。 コンピューターが初めて登場した時から、人工頭脳とか、人間に代わってコンピューターがすべての仕事を処理する時代が来るという期待があった。 しかし、これまでの考え方ではこうした第5世代コンピューターの実現は容易ではないと展望されている。 第4世代までのコンピューターはフォン・ノイマンのプログラム内蔵方式を基本としており、人工知能を構築するにはそれに相当する複雑で膨大なプログラムを作成しなければならないためである。 第5世代コンピューターの特徴は、推論処理、知識ベース・知的インターフェースなどに要約される。 現在のコンピューターは計算そのものは非常に速く処理するが、その計算の全過程を人間があらかじめ定めてプログラムしておかなければならない。また命令が一つでも誤れば計算全体が誤ることになる。これまでのコンピューターは入力された命令をそのまま遂行するしかないためである。 一方、第5世代コンピューターはあらかじめ入力された命令にはない演算を独自に推論して行うことができる。 また現在のコンピューターはすべてのデータに番地(Address)を付与した後に処理しているが、こうしていては今後保存すべき膨大なデータを管理できなくなる。 そこで、人間がさまざまな連想で情報を検討するように、コンピューターに記憶させたデータを相互に関連づけ、その関係によって管理する方式が知識ベースである。 これまで人間とコンピューターとの意思疎通はコンピューター言語を通じて進められてきたが、これは一般の会話とはまったく異なる特殊な言語である。 したがって日常会話で使われる言語でコンピューターと意思疎通するためのものが知的インターフェースである。 このように推論処理・知識ベース・知的インターフェースを備えた第5世代コンピューターは、フォン・ノイマン方式ではないためノン・ノイマン方式と呼ばれることもある。 コンピューターはどのような所に主に使われているのか。 コンピューターは現在起きている事務自動化および工場自動化のブームとともに広く普及し、すでに企業経営のみならず社会全体としてもコンピューターのない生活を考えることもできないほどになった。 コンピューターの用途はさまざまだが、本来の業務そのものでコンピューターが広く使われているのが現在の趨勢である。 業務処理というのは、窓口業務や受注業務のような日常的な業務処理をいう。 大規模システムを例に挙げれば銀行の窓口業務・鉄道の座席予約などであり、一般企業の場合は会計管理・人事管理・生産管理・資材管理などほぼすべての領域でコンピューターが利用されている。 コンピューターを通じた業務処理の性格は次の通りである。 ▲仕事の定型化が容易である。 ▲仕事の成果が明確に表れる。 ▲過去の成功事例が多い。 ▲効果を出しやすく、多くの人の理解を得やすい。 またコンピューターを利用することで期待される効果は次の通りである。 ▲仕事が定型化されることにより結果やサービスが均質化される。 ▲省力化により人間の直接労働が減る。 ▲顧客向けサービスが向上する。 ▲経営資源を効率的に活用できる。 コンピューターは比較的早くから事務や経営管理分野に利用されてきた。 それはもともとコンピューターが国勢調査結果の集計業務を処理するために開発されたためである。 したがって当初は業務処理への活用よりも経営管理への活用の方に関心が高い方だった。 コンピューターを単純な大型算盤として使うだけでなく、新たな高度の業務に適用させなければならない。 その一つの方向として、コンピューターを経営戦略分野に活用する方法がある。 その方法には、経営戦略を立案する際にコンピューターシステムを活用する方法と、コンピューターを活用すること自体を戦略の中に含める方法がある。 一つ目の戦略立案にコンピューターを活用する方法は、戦略的な意思決定において判断に必要な情報を作成または入手して判断を行うことである。 また二つ目のコンピューター活用そのものを戦略内に含めるということは、経営戦略にコンピューター活用が含まれていることである。 例えば全国をオンラインネットワークで結び、総合的なサービスを展開することなどをいう。[許斗永(ホ・ドゥヨン)記者] [表]<コンピューターの歴史> [表]<コンピューターの発展段階> [写真]◇コンピューターは今や我々の生活の至る所に根付き、便利な文明の利器として活用されている。子どもたちにとってもコンピューターは身近な友人の地位を占めた。[安度林(アン・ドリム)記者]