人間の行動半径はどれほど広がり得るのか。 鶏の行動半径を、両脚を軸としてくちばしの届く所までを描いた円と規定するなら、人間の行動半径はどこまで広がり得るのか。 農耕社会において人間の行動半径は居住する生活の周辺に限られ、せいぜい馬や馬車で行ける所までであった。 産業革命によって鉄道が全国、さらに世界各地へ延びるにつれ、人類は自動車・船・飛行機・宇宙船などの交通手段に支えられ、行動半径をほぼすべての空間へ広げられるようになった。 また19世紀から登場した電気通信手段と、20世紀後半から始まった情報革命によって、人間の行動半径は時間の領域までうかがうようになった。 人間の行動半径は交通と通信に左右される。 人間の行動半径を広げるうえで、交通手段(Hard Pass)が空間への挑戦であるとすれば、通信手段(Soft Pass)は時間への挑戦である。 営業社員・外販員・記者など外勤を主とする人々は、まず交通手段で目的の地域に到着し、仕事を処理する途中あるいは処理した後に、その経過または結果を電話などの通信手段を通じて報告したり指示を受けたりせざるを得ない。 したがってその行動半径は、電話やファクシミリが設置されている地域の周辺に限られざるを得ない。 これが有線社会(Wired Society)の限界であり、人間はこの線に見えない形で縛られているわけである。 このように絡みついた線から人間を解放したのが電波である。 事務自動化(Office Automation)・工場自動化(Factory Automation)・家事自動化(Home Automation)・建物自動化(Building Automation)・店舗自動化(Store Automation)などの自動化機器は、それぞれの空間で複雑あるいは面倒で危険な業務を処理することにより、人間の作業量を著しく減らす。 一方、電波を利用したPA(Personal Automation)機器は、与えられた環境に関係なく人間が最大の作業をできるようにする。 すなわち各種の携帯用装備を持つことで、時間や場所など周辺環境に制限されず自由に仕事を処理できるようになるということである。 万年筆兼用の高性能アンテナ、腕時計兼用の無線電話機、大型コンピューターに匹敵する性能を持つ財布サイズの携帯用コンピューターなど、007映画でしか可能でなかったPA機器が、いま徐々に開発され実用化されている。 韓国では88ソウル五輪大会を契機に電波の使用が大幅に自由化されたことに伴い、ポケットベル(無線呼び出し機)・自動車電話・携帯用電話・周波数共用通信(MCA)・生活無線局(トランシーバー)など電波を利用するPA機器の普及が大きく増えている。 また携帯用公衆電話ともいえるテレポイント(Telepoint)や、財布サイズの無線電話機であるPCN(Personal Communication Network)など、先端PA機器の開発も活発に推進されている。 米国など先進国では万年筆兼用の無線呼び出し機、腕時計兼用の無線呼び出し機などが開発・普及されており、ポケットに入れて持ち歩きながら証券情報などを検索できる財布サイズの検索専用呼び出し機も登場した。 また飛行機・船舶・自動車などで移動中の相手方とデータ通信ができるようにする無線モデムもすでに実用化されており、ノートサイズの無線ファクシミリも近く登場する見通しだ。 新聞紙4千枚、すなわち八万大蔵経をすべて記憶させられる1ギガDRAM(1Gは10億)を採用したノートサイズのコンピューターも2000年ごろに登場すると予想されている。 ここに印刷機能・複写機能・無線モデム機能・無線ファクシミリ機能などを付加すれば、それはまさに動くオフィスとなるだろう。 このような携帯用コンピューターによって、人間はいつどこでもオフィスと同じように業務を処理でき、コンピューターゲームを楽しんだり、コンピューターグラフィックスで趣味の活動をすることもできるようになる。 また外国語を自動で翻訳または通訳し、音声で命令でき、ラジオやテレビ放送まで受信できる携帯用マルチメディアが登場すれば、人間はスーパーマンのような能力を持つことになるだろう。 先端PA機器は人間の行動半径を画期的に広げてくれるが、人間に無限の自由を保障してはくれない。 携帯用電話機を使ってみた人はまずその便利さに驚き、新しい形の自由に酔いしれるが、最近ポケットベルを「犬の首輪」と呼ぶ人が増えているように、人間の自由は別の形で侵害されているのである。〔許斗永(ホ・ドゥヨン)記者〕
1990-08-31 | 許斗永
PA時代、有線から無線情報社会へ
本文はAIによる機械翻訳です。見出しは原文(韓国語)のまま表示しています。正確な内容は原文をご確認ください。






