1990-09-30 | 孫東榮

[文明病 その予防と治療] ストレス(下)落ち着いた姿勢で弛緩訓練を

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耐え難いストレスに悩まされてきた現代人は、誰もが自分だけの独特な解消策を誇る。 仙院という所を訪ねて丹田呼吸を学び、あるいはインド固有の健康法であるヨガを学んで、最高の精神健康法だと周囲の人に勧めたりもし、さまざまなペットに愛情を注いで日常のストレスを解いたりもする。ありがちなところでは、日曜日ごとにゴルフやテニスをしてその週のストレスを解くという人もいる。ストレス解消法には一つの固定した原則がないわけで、ストレスを避けるためのいくつかの原則はあるものの、それだけでストレスから解放されることはできない話である。解消の第一歩は、自分にとってどんな要因が過度なストレスとして作用するのかを判別することである。続いてそれに対応する方法を探すことになるが、それは誰にでも当てはまる鉄則ではありえないものの、訓練という過程を経ながら自らその方法を見いだすことはできる。 弛緩とは、まず身体の疲労を解いて焦燥感を静める過程を指すが、本来の意味は、客観的な状況と自分の位置、自分が考えていること、高ぶった感情などを落ち着いて観察する状態を指す。人はいったんストレスを過度に感じ始めると、頭の中でその考えを絶えず拡大させる習性を持っている。話をする速度より10倍ほど速い速度で、頭の中で話を続けているのである。このように絶えず外部の問題に執着する意識から抜け出し、自分の内部を省察する過程がまさに弛緩訓練である。その方法を紹介する。 ▲背を伸ばして楽に椅子に座る。あぐらでもよい。▲自然に目を閉じる。まぶたと額に力が入らないようにする。▲ゆっくり呼吸を始める。息の音に意識を集中させる。▲息は吐くことから始める。息を吸うときはゆっくりと。▲どこか不快であれば、最も楽な姿勢に座り直すこと。▲心の混乱が来てもそれを追い払う必要はない。何を考えても構わないが、呼吸のリズムと音を失ってはならない。▲5~10分ほどの時間が過ぎたら静かに目を開ける。目を開けるときは少しずつ周囲の環境のリズムに適応していく。▲持続的に行う。心の中の話が続いても、まず3日は続けようという心構えが重要である。 弛緩訓練は楽な心構えを目的とするため、無理な腹式呼吸をする必要もなく、自然に腰を伸ばした状態で両脚を肩幅ほどに開いていればよい。可能な限り一定の場所と時間を定めて1日2回ほど実施し、食事前や就寝前が理想的である。弛緩訓練は日常生活のための準備運動、整理運動としても重要な意味を持つ。 軽い運動はストレス解消の最善策である。よく時間がない、疲れているという口実を並べて運動を避けるが、大部分は根拠のない話である。特に疲労とは頭だけを使う会社員がより極度に感じるもので、まさにストレスが主犯である。循環器系統を強化する運動は血液循環をよくして筋肉の緊張を緩和させながら、頭を占領していた心配事や仕事の問題をなくすことができる。実際、定期的に運動をする人たちは『運動を始めてからは生活全体に力があふれる感じだ』と話している。ジョギング・歩行・水泳・縄跳び・自転車乗りなどが勧められる運動である。 個人的な次元でできる運動に劣らず重要なのが、ストレスが文明病の一種であるという意味での環境の改善である。特に会社員の勤務環境は個人のストレスの程度を左右する決定的な要因。作業場の物理的環境を考えるとき、照明を快適にすること、騒音を減らすこと、機械の配置が人間の活動に障害を与えないようにすることなどが重要である。また、企業が労働者の精神健康に注意を払っているという証拠を明確に示す姿勢も重要である。しかし、これらすべての努力に劣らず急がれるのが職場内の「共同体としての支持体系」である。家に誰かが病気になってもすぐに助けを与えられる医療体系、突然訪れた困難を解いてくれる扶助体系などを指すが、これは先進国では最も重要なストレス解消策と認識されてきたものである。 延世大医大の李鎬榮(イ・ホヨン)教授(神経精神科)の指摘どおり、ストレスは『個人が積極的に管理すべき対象であるが、同時に急変する社会体制と深く関連したものであるため、さまざまな社会集団の関心がより必要である。』【孫東榮(ソン・ドンヨン)記者】 〔訂正〕9月23日付「文明病」下編は「中」編の誤りでしたので訂正します。

[写真]◇ストレス解消は大掛かりな方法だけでなく、勤務中の軽い伸びも効果的である。