1990-10-31 | 宋河植

<韓国オファーリストの意味> 「国内農業の生存基盤」の要求を反映

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ウルグアイ・ラウンド交渉が最終局面の陣痛を迎えている中、韓国は30日になってようやく農産物輸入開放の履行および補助金削減計画(オファーリスト)をGATT(関税及び貿易に関する一般協定)に正式提出した。 韓国政府が22日に韓国の農水産業の現況を盛り込んだ国別現況資料(カントリーリスト)を提出したのに続き、30日に交渉の最終案ともいえるオファーリストをウルグアイ交渉の日程に合わせて示したのは、ウルグアイ・ラウンド交渉が必ずしも韓国に不利なものばかりではないという積極的な判断によるものである。 すなわち、これまで米国など農産物大国との二国間交渉で執拗な輸入開放圧力を一方的に受けるよりは、日本・EC・スイス・オーストリアなど韓国と立場が似た農産物輸入国と共同歩調を取ることのできる多国間交渉の方がより有利だからである。 このような判断の下、韓国政府はウルグアイ・ラウンド交渉に積極的に臨む一方、比較的妥協的な内容の代案を提示し、可能な限り国内農業を最大限保護しようという意向をオファーリストに盛り込んでいる。 韓国的農業の特殊性と諸条件を考慮し、食糧安保・環境保全・地域間の均衡発展・雇用維持および伝統文化維持などの非貿易的目的を同時に達成するため、最小限の農業基盤を保障することと、市場開放が可能な農産物については農業開発途上国として農業構造調整に必要な十分な猶予期間と弾力的な関税運用を求めている。 韓国側の交渉案の核心は、コメ・大麦・大豆・トウモロコシ・唐辛子・ニンニク・タマネギ・ゴマ・ジャガイモ・サツマイモ・柑橘・牛肉・豚肉・鶏肉・牛乳および乳製品など15品目の輸入開放猶予を保障される一方、残りのすべての輸入品目については1991年から7年間にわたり年次的に開放するというものである。 その際、輸入品目の既存の輸入クオータ量を超えた輸入物量についてはGATTが認める関税相当値(輸入価格と国内卸売価格の差額から算出された関税率の一種)を課すこととし、準関税格である関税相当値も今後10年間にわたり最高30%まで削減するというものである。 例えばバナナの輸入は現行通り年間8700トンに限って関税率50%を適用し、ウルグアイ・ラウンド交渉妥結後に追加で増えた輸入物量については、輸入価格と国内卸売価格の差額を輸入価格で割った比率である779%を関税相当値として課し、その収入でバナナ栽培農家の損害を補填するという計画である。 これと共に、関税相当値を今後10年間で年次的に引き下げ、目標年度には30%が削減されるようにして、2000年にはバナナの関税相当値を545%に引き下げるという。 しかし、このような韓国側の最終案が一括妥結できるかは現時点では未知数である。 なぜなら、米国のオファーリストを見ると、韓国側が主張してきたNTC(非貿易的機能)品目を認めないばかりか、関税相当値も今後10年間で75%を削減するとしており、韓国側と大きな視角差を見せているからである。 また日本も農産物に対する国内補助金の削減を、米国側の75%要求を大きく下回る30%削減で対抗し、コメなど9つの輸入制限品目については今後絶対に開放は不可能だという強硬な立場を示している。 スイス・ノルウェーは韓国と同様にそれぞれ10品目と2品目を開放猶予品目として要求しており、関税相当値の削減計画も10~30%の範囲内で可能だと明らかにし、韓国より保守的な立場である。 EC12カ国は今のところ各国の意見の相違でオファーリストを用意できていないが、韓国と似た水準で検討しているものと伝えられている。 ウルグアイ・ラウンド農産物交渉の締め切りが年末まで残り少ない状況で、農産物輸出国と輸入国間のこうした意見の差により年内妥結は望みがたいという観測が支配的である。 コメなど基礎食糧は800万人に達する農家人口の主な所得源であり、1戸平均1.2ヘクタールにすぎない零細営農規模のため国際競争力がないばかりか、食糧自給度が40%水準にとどまっており、開放は絶対に不可能だという立場である。 ただし15のNTC品目のうち基礎食糧を除く残りの品目は、需給状況を考慮して最小限の外国農産物の国内市場アクセスを認めるとしている。 また15品目を除く残り全品目の場合、すでに輸入自由化された品目は過去3年間(1986~88年)の年平均値の市場占有を保障し、輸入実績がない品目も国内消費量の1%を占有できるよう認めている。 このように韓国政府のウルグアイ・ラウンド農産物交渉の姿勢が積極的かつ妥協的であるにもかかわらず、交渉が決裂すれば韓国農民の生きる道はさらに惨たんたるものになるだろう。 特に韓国政府が強力に求めている開放猶予15品目が認められない場合、ただちにコメ・大麦・唐辛子・ニンニク・タマネギ・ナタネ・野菜栽培農家など大部分の農家が農産物市場開放による莫大な被害を受けることになるからである。 農産物輸出が微々たるもので輸出補助金問題がまったくない韓国の立場から見れば、むしろ農産物輸出国が世界の農産物の貿易秩序を乱した責任として、今回のウルグアイ・ラウンド交渉の主たる攻撃対象になるべきだと言っても言い過ぎではないだろう。【宋河植記者】