未央生はしまったと思ったが、今正さなければ事を仕損じそうで、必死に知恵を絞った。 「そ、それはですな。そうだ、そうだ! お宅にはご主人がおられるだろうし、私はお宅の事情を知らないので…馬鹿な真似をして苦しみをかけては、これこそ申し訳の立たぬことで…。本当に、何と言いますか。用心の上に用心、慎重の上に慎重を期してお宅に会わねばと…。一刻も早く会いたかったが、お宅に迷惑をかけるかと思って軽々しくは…。こうした私の苦しみをむろん分かってくださると信じますが…」 香雲はまだ気が済まないのか、つんとした顔色だった。未央生が何かもう少し言おうとすると、不意に彼女が言った。 「扇はまだ持っていますか」 「もちろんです。片時も私の懐から離れたことはありません。さあ、ご覧ください。ここにこうして大切にしまってあるではありませんか」 「そうですか」 未央生が待っていたかのように懐から扇を取り出して彼女に差し出すと、香雲は突然扇をひったくり、びりびりと引き裂いてしまった。 「あなたのような無情な男は嫌い。今後は言葉もかけないで!」 こんな言葉を匕首のように投げつけ、泣き顔になった真っ青な顔で梯子を下りていってしまった。予期せぬ事態に遭い、未央生はあ、あ! と声を出すばかりだった。彼女の後を追いたい気持ちは山ほどあったが、どんな障害物が飛び出すか分からず、しばらく足踏みした。 ちょうどこの時、芭蕉の葉が風に揺れてざわざわと音を立てるのが聞こえてきた。梯子に乗って塀の上まで上がっている姿を艶芳に見つかれば大変だと思い、転がり落ちるように下へ下りてきた。 (ところが、どうして顔色を変えて怒ったのだろうか) いくら考えても納得がいかなかった。 (半年ほど放っておいたからそうするのだろうか) どうにも悪かったとすれば、その点がせいぜいだった。こういう時は無条件に悪かったと謝るしかない。手が足になるほど拝み、また拝んで、機会を見てしっかり抱きしめて愛してやれば、春の雪が溶けるように凍りついた怒りも解けるだろうと思った。 (今夜、忍び込んでみれば分かるだろう) そう考えながら未央生は夜が更けるのを待った。目を覚ました艶芳が入ってこられないように書斎の出入口を錠で閉ざし、そっと窓を開けて外へ出て、用意しておいた梯子に上がって向こう側を見たのだが、おやおや、これはどうしたことか。
1991-01-31 | 姜永洙
未央生伝 <90> <原題:肉蒲団>
本文はAIによる機械翻訳です。見出しは原文(韓国語)のまま表示しています。正確な内容は原文をご確認ください。






