最近、急に食欲が良くなり過食を繰り返すようになったLさんは、食べても食べても体重が増えるどころか、むしろ減っていくばかりで、何かおかしいと考えるようになった。加えて神経が過敏になって生活に安定感がなく、少し動いただけで息切れするようになり、結局病院を訪ねることになったが、そこで告げられた病名は甲状腺機能亢進症。甲状腺が何なのか、どこに付いているのかも知らなかったLさんは、担当医の説明をしばらく聞いてようやく自分がどんな病気にかかったのかを知ることができた。 甲状腺は首の前部に大人の親指ほどの大きさで左右に一つずつあり、その形は蝶に似ている。甲状腺はホルモンを作り出す内分泌器官の一つで、その機能は精巧で、わずかな異常でも体全体に症状が現れる。甲状腺ホルモンは、摂取した栄養素を分解してエネルギーにする過程を司るホルモンで、熱を発生させて体温を適切に維持する。正常な人は血液中の甲状腺ホルモンの量が一定だが、甲状腺自体に問題が生じるとホルモンの量が増えたり減ったりする。 甲状腺疾患は範囲が広い。甲状腺ホルモンの量が増えれば甲状腺機能亢進症、減れば甲状腺機能低下症などにかかり、甲状腺に炎症やこぶができることもある。現代社会で問題となる甲状腺疾患は甲状腺ホルモンの変化によるものだ。複雑な生活から生じる過重なストレスが体内のホルモン分泌に影響を及ぼすが、一般の人々に最もよく知られたホルモン関係の病気は糖尿病である。しかし甲状腺疾患は糖尿病に比べて発見が難しく診断も容易でないため一般に知られていないだけで、患者数は糖尿病に比べて決して少なくない。ソウル医大の高昌舜(コ・チャンスン)教授(内科)は「わが国の全人口の2~3%程度が甲状腺疾患を持っていると推定される」と明らかにした。 甲状腺疾患の中で最も頻度の高い甲状腺機能亢進症の症状は、食欲が旺盛なのに体重が減少する、汗が多く暑さに弱い、胸がどきどきして息が切れる、些細なことで怒り興奮しやすい、手足特に指が震える、脚に力が入らず男性は下肢に麻痺が来る、皮膚は温かく湿って柔らかくきめ細かくなる、髪の毛はきめが細かくつやが出る、眼球が突出することもある、など非常に多様だ。甲状腺機能低下症は正反対の症状が現れる。食欲が落ちるのに体重は増え続ける、筋肉が硬くなって夜にけいれんが頻発する、筋肉痛・関節神経痛が生じる、しばしば疲労を感じ無気力になる、皮膚がつやを失い荒れる、寒さに弱くなる、便秘になるなどの症状が現れる。こうした症状が現れれば甲状腺検査を受けるよう勧められるが、依然として甲状腺疾患への認識不足で発見は容易でない。慶熙医大の崔永吉(チェ・ヨンギル)教授(内科)は「甲状腺疾患は誤診の可能性が非常に高い疾患だ。症状自体だけで安易に判断し、見当違いの治療を受ける場合が少なくない」と述べた。 甲状腺ホルモンの量が増えたり減ったりするのは、原因不明のまま生成された抗体が甲状腺を刺激してホルモン分泌量を変化させるためだ。最近注目されている自己免疫疾患の一種である。外部から身体を刺激する抗原がないのに抗体ができて問題を引き起こすのだ。一方、甲状腺疾患は男性より女性に4~8倍多いが、その理由はまだ分かっていない。高教授は「30代の主婦が出産後に甲状腺機能亢進症にかかりやすい。甲状腺疾患の大部分は精神的・肉体的ストレスが急に押し寄せる時に発病する」と語る。 甲状腺疾患の診断技術が発展するにつれ、かつては発見できなかった甲状腺疾患を容易に見つけ出せるようになった。現在、甲状腺機能検査としては血液検査・甲状腺スキャン・自己抗体測定などがある。治療方法も確実で、いったん甲状腺疾患と判定されれば容易に完治させることができる。抗甲状腺剤または甲状腺ホルモン剤などの薬物で甲状腺ホルモンの量を正常値にすることができ、甲状腺炎や腫瘍は手術で容易に除去できる。また放射性同位元素を利用してホルモンの量を調節することもある。ただし薬物治療は再発を防ぐため2~3年間根気よく続ける必要がある。 甲状腺疾患を発見できずそのまま放置した場合、各種成人病に苦しむことになる。甲状腺機能亢進症が続けば心不全症・糖尿病が生じる可能性があり、甲状腺機能低下症は体内の代謝作用を低下させ、血液中のコレステロールと中性脂肪を増加させることで動脈硬化症を引き起こし得る。高教授は「甲状腺疾患は症状が多様なだけに派生する疾病も多様だ。特に中年以降は身体器官の老化によって生じる成人病と混同されることもある。まず診断が重要だ」と語る。 一方、崔教授は「家族の中に甲状腺疾患を患っている人や患った経験のある人がいる場合、自分も甲状腺疾患にかかっている可能性が高い。遺伝疾患ではないが家族との相関関係が高いというのが定説だ」と指摘した。 【孫東榮(ソン・ドンヨン)記者】 [写真] ◇精神的・肉体的ストレスによって生じる甲状腺疾患は、いったん確定診断されれば完治が可能だ。写真は甲状腺スキャンを行う様子。
1991-03-31 | 孫東榮
[文明病 その予防と治療]甲状腺疾患 食欲あるのに体重減ならまず疑い
本文はAIによる機械翻訳です。見出しは原文(韓国語)のまま表示しています。正確な内容は原文をご確認ください。






