年を取ると睡眠が少なくなる。それゆえ朝早く目が覚めれば年のせいだという。しかし心身が爽快であれば特に問題はない。老いぼれた人を見ると睡眠のリズムが狂い、昼に眠り夜は寝つきが悪い。ひどい場合には夜になると不穏状態となり、精神異常を示す人もいる。 特に定年退職後は昼間に眠気が来ることが多く、夜に眠れないことは健康な人にも頻繁にある。 米国の生理学者ファインバーグは、睡眠における脳波の変化は最も確実な老化現象だと述べた。老人になると深い睡眠の合計時間が短くなり、睡眠のリズムが乱れる。睡眠が浅く中断しやすいのが特徴である。 昼に眠らないようにすれば、この傾向はある程度防げる。しかし昼に少しずつ眠ることが老人の疲労回復に必要であるなら、問題は複雑になる。そうすることでかえって老化を促進させる結果になるかもしれないからだ。 病的な睡眠障害が来る場合を見ると、脳動脈硬化・うつ病・ノイローゼ・アルコール中毒・老人性認知症などである。身体的な疾病、例えば心臓病・糖尿病などがあっても睡眠は妨げられ、腎臓病・前立腺肥大などで夜間の排尿が頻繁でもそうである。そのような場合には原因を除去しなければならず、いくら睡眠薬を飲んでも役に立たない。 老人は夜に血圧が下がることが多く、呼吸も浅くなるため、かえって脳循環を助ける薬、例えば少量のカフェインや強心剤を使えばむしろよく眠れる。鎮静剤は血圧を下げるので逆効果となる。 健康な睡眠は長寿をもたらす。睡眠の多い動物ほど長寿だという報告がある。 睡眠と死は異なるが、意識がなくなるという点では似ている。ギリシャ神話では睡眠の神と死の神は兄弟であった。 疲れれば眠くなるが、本質的には疲れないために眠るのである。あまりに疲れて回復できない状態になることを避けようとして眠くなるのが生体の本能である。
1991-10-31 | 최차혜
これが人間だ 健康優生学…誕生の秘密を追う 崔次恵(チェ・チャヘ)〈医博・産婦人科〉
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