今年の不動産市場は、市場を構成する二大軸である住宅価格と地価がそろって下落するという大異変を演出した。すでに昨年から始まった住宅価格の下落は今年も続き、地価は史上初めて下落を記録した。また商業施設・オフィス・コンドミニアムなどあらゆる不動産分野が力なく下げ続けた。とくに今年は、選挙のたびに不動産価格が動くという前例が姿を消し、選挙と不動産は無関係だという望ましい事例を残した最初の年でもあった。住宅200万戸建設と土地公概念制度の本格施行は、これまで投機に染まってきた不動産市場を正常軌道に乗せることに成功し、いまや不動産価格も需要・供給の市場機構によって決まっている。この点で、今年の低迷一辺倒の不動産景気は、経済全体が活況に転じない限り来年も決して回復しないとの見通しが支配的である。本紙は全国の不動産現場を走る不動産取材記者の放談を通じ、今年の不動産市場を総括し、来年の相場を診断することにした。【編集者註】 出席者 崔元龍(チェ・ウォンリョン)社会部記者 李光會(イ・グァンフェ) " 文周鏞(ムン・ジュヨン) " 權九讀(クォン・グドク) " 文鏞喆(ムン・ヨンチョル) "
不況が全部門を襲う 今年の総括 司会=今年の不動産市場も当初の予想どおり低迷局面のなかで幕を閉じました。住宅・土地はもちろん、商業施設・オフィスなどあらゆる不動産商品が下落を記録した一年でした。 今年の不動産市場の最大の変数とみられていた第14代総選挙と大統領選挙も大きな影響を与えられず、昨年から続く不動産景気低迷を反転させることはできませんでした。 まず今年の不動産市場の特徴から点検しましょう。 -92年の不動産市場も、一言で言えば住宅価格の下落傾向が本格化したと整理できます。実際の取引価格を対象に実施したある調査によると、全国のマンション売買価格は年初より平均7.9%も下落したことが分かりました。ただ、秋の引っ越しシーズンを前にした8、9月ごろに住宅価格が上昇に転じる場面もありましたが、一時的な小反発で終わってしまいました。 それだけ住宅価格下落の谷が深かったということになります。昨年が88年以降上がり続けてきた住宅価格が初めて下落を示した年だとすれば、今年はその底値圏を探る時期だったと評価できます。 司会=何といっても今年の不動産市場の最大の特徴といえば、地価が史上初めて下落を示したことではないでしょうか。 -そうです。これまで一度も下がったことがなく上がり続けてきた全国平均地価が下落を記録したことは、不動産市場の大異変に挙げられます。「土地は買っておけば上がる」という土地神話が完全に崩れ、土地所有者の衝撃は並大抵ではありませんでした。 -75年に政府の地価調査が始まって以来、地価が下がったのは今回が初めてです。経済全体が不景気となり土地需要が根本的に減ったうえ、土地超過利得税(土超税)・宅地超過所有負担金など土地公概念関連制度が本格実施され、土地は売れず税金だけ払わなければならない厄介者に転落し、「土地乞食」という新語まで登場した状況です。 全国の地価は第2四半期から下落し始め、今年一年で平均1%下落すると推定されています。
94年までは低迷期 新年の展望 司会=現在の不動産市場が果たしていつまで低迷を続けるのか、またいつから回復するのかが人々の大きな関心事のようですが。 -不動産景気の周期上、韓国には10年周期の長期サイクルと5年周期の中・短期サイクルという二つの流れがあります。 このうち5年周期は、さらに3年の下落と2年の上昇が交差する特徴を示してきました。 不動産景気が91年から低迷局面に入ったとみると、来年は長期の側面では下落傾向に入ってさほど経っていない下降局面、短期の側面では最低点を記録した後に回復へ反転する時点だと予測できます。 とくに短期周期説の場合、住宅価格はすでに底を打ったのではないかという見方も少なからず提起されています。また新政権発足により規制一辺倒の建設政策がある程度緩和ないし補完されるだろうという、不動産業界の期待を込めた見通しも出ています。 -不動産市場は結局、景気全体と一定のラグを置いて好不況を記録してきました。この観点から、経済全体が先に好転しない限り不動産景気は回復できないという主張も出ています。新政権発足で来年の経済が良くなれば、94年ごろから不動産市場がある程度回復するのではないかと展望されます。 -全般的な景気が不況のときには決して不動産景気は好転しません。景気全体にいったん火がついた後、不動産景気が続いて徐々に熱を帯び始めます。 86年は韓国最高の好況期でしたが、不動産景気は89、90年になってようやくピークを迎えました。景気活況で生じた余裕資金が、景気の冷え込みで行き場を失い、ついに不動産市場へ流れ込むのです。 したがって、景気全体が回復に向かわない限り不動産景気が好転すると期待するのは禁物です。
来年50万戸入居 住宅 司会=政府や政府系研究機関では来年の住宅価格見通しに関連し、首都圏では10%、地方では5%程度それぞれ下落するとの展望を示しています。その根拠として、新都市7万戸など全国で57万戸が入居物件としてあふれ出て、新規分譲物件も50万戸を超えるとみられ、一時的に供給が需要を上回ることになるという点を挙げています。ソウル地域の住宅価格はどうなりそうでしょうか。 -まず今年2回実施されたソウル地域同時分譲の申し込みパターンを見れば、マンション需要者の態度変化を実感できます。20倍数以内の第1順位で大量の未達が生じたという事実は、ソウル市内の申込待機者の実体を明らかにしたもので、マンション需要者はもちろんソウル市当局者にも新鮮な衝撃でした。それだけ実需者が動かなかったということです。 -同時分譲物件が3000戸程度だったため、ソウル地域の20倍数の範囲は6万人となります。加入順で5万~6万番にすぎない申込預金加入者までが、マイホームを手にする絶好の機会を前に強気に構えたということになります。こうした現象は、新規マンションに当選することと既存住宅を買うことにさほど差がないという反証でもあります。 -そうです。マンション相場と分譲価格の差がかなり縮まったところに、申し込み回避の原因を見いだせます。低い利息に甘んじて毎月きちんと申込金を納めなければならないうえ、契約金・中間金を入居前に納付する金融費用などを考えれば、新規住宅は決して安いとは言えません。 司会=長期的に見たとき、住宅建設の基礎原材料である宅地が枯渇しているという点が問題として浮上しています。このため首都圏集中現象が解消されない限り住宅問題を根本的に解決できないとして、住宅価格の急騰を懸念する見方も提起されていますが。 -ソウル市の場合、今年8つの宅地開発地区について事業計画を確定し、来年から本格的な開発事業に着手する予定でしたが、資金源である替費地などが売れず4地区に縮小・調整し、これさえも来年に開発されるか不透明な状態です。住宅を建てる宅地確保が難しければ、結局新規マンション供給は縮小せざるを得ません。 -10月末現在、全国の未分譲マンションは3万1006戸と暫定集計されました。ある住宅建設会社の社長は『単一商品のうち住宅ほど高いものはない』と述べ、実需層の購買力が弱ければ未分譲現象は来年も改善されないと予想していました。住宅金融が拡充されない限り、いまや家を買える人はそれほど多くないという話です。 -とくに来年は、時期別・地域別に住宅建設物量を統制する住宅建設割当制、すなわちクォーター制が廃止され、住宅の無限供給が可能になります。来年初めから住宅建設会社は未分譲リスクを承知で追加物量を大量に投入するでしょう。結局、住宅購買力を支える住宅金融制度など画期的な制度的装置が整えられない限り、未分譲現象は来年むしろ拡大し、それに伴って住宅価格の下落も続くというのが専門家の支配的な観測です。
戸建て宅地は好調 土地 司会=ここで住宅から土地に話題を移しましょう。今年史上初めて下落を記録した全国平均地価が、来年はさらに大幅に下がるとの予測が出ていますが。 -近年、土地市場は供給が需要をはるかに上回り低迷局面に入りました。しかし新都市周辺の戸建て宅地はある程度売れており、土地市場が完全な不況ではないという見方もあります。土地も住宅と同様に人気・不人気地域が分かれる地域的差別化現象が生じているとみるべきです。 -そうです。土地市場は地価の高い地域で価格が下落し、地価の低い地域では相場が上がる高弱低強の現象を示しています。ソウル江南地域の百貨店が繁盛するとは数年前には想像もできませんでした。都心地域の駐車難・交通渋滞で周辺地域の人気が上がり、それに伴って地価も人気なりに上昇するのです。全国的に見ると、大都市は地価が大きく下がった一方、地方都市や郡地域は農地を除けば横ばいを維持しました。 -来年の土地市場は、政府が推進中の土地利用規制緩和にも影響を受ける見通しです。政府は来年中に国土利用管理法改正を通じ、現行10の用途地域を4つに統廃合し、開発可能な土地を現在の全国土の16%から31.2%へ2倍程度増やす方針です。また行為制限も大幅に縮小し、通常の開発はすべて許容する計画です。 -土地利用規制緩和措置が地価に及ぼす影響については、上昇要因と下落要因で見方が激しく対立しています。これまでの地価急騰が土地供給制限から生じたと主張する人々は、土地利用規制緩和は供給拡大を意味し、これはすなわち需要・供給の市場原理によって地価下落をもたらすとみています。一方、土地に対する各種規制が解かれれば、直ちに土地の効用性を高めて地価上昇をあおることになるという主張も提起されています。 -土地取引許可に対する事後管理制度も地価に少なからぬ影響を与えると予想されます。政府は土地取引許可を受けて土地を購入した後、2年を過ぎても取得目的どおりに利用しなければ、公共買収または代理開発を行うか遊休地に指定し、開発を強制する予定です。政府が仮需要を遮断する一方、開発に伴う不労所得を徹底して回収すれば、土地規制緩和は土地供給拡大という側面を浮き彫りにし、地価安定に大きく寄与するとみます。
立地次第で騰落 商業施設・オフィス 司会=商業施設やオフィスなど、その他の不動産商品はどうでしょうか。 -商業施設市場は上半期までかなりの不況に置かれていました。商業施設の落札率が昨年の半分水準まで急落し、盆唐(プンダン)の場合は最高価格の半分以下である坪当たり1100万ウォンで落札されることもありました。すでに商圏が形成された汝矣島(ヨイド)など既存の商業施設にも不況の寒波は同様でした。しかし下半期から商業施設の供給者、すなわち住宅建設会社や商業施設所有者などが供給物量を大幅に減らし、大々的な販促を展開したことで未分譲の増勢が鈍化し始め、それに伴い商業施設市場もやや息をつけるようになりました。 司会=今年の不動産景気低迷は商業施設・オフィス・コンドミニアムなど不動産周辺市場にも例外なく寒波をもたらしましたが、今後の展望はどうでしょうか。 -商業施設・オフィスは交通・人口など立地条件によって明暗が大きく分かれる地域差別化現象が深まると予想されます。 とくに商業施設市場の核心は断然マンション団地内の商業施設ですが、新都市などでマンションが次々と完工し入居が始まることで、これまで凍りついていた商業施設の購買力が次第に回復の兆しを見せると期待されます。しかしマンション未入居地域や交通条件の劣悪な地域では、今年と同様に不況の沼から抜け出せないでしょう。 -オフィスの場合、需要をはるかに上回る膨大な物量供給により、相当期間の低迷が避けられない状況です。新興オフィスタウン街として定着したテヘラン路一帯では、土超税を避けるため20階以上の高層ビルが相次いで着工し、最近は平均40%程度の空室率を記録しています。加えて来年には商業用建築規制が大幅に緩和され、オフィスの空室率はさらに深刻化する見通しです。 -コンドミニアム業界は、来年から奢侈性業種から除外されれば与信規制を受けなくなるため資金回転上かなりの助けを得ますが、現在のような景気低迷が続く限り市場回復は難しいようです。 もともと供給物量が多く未分譲の滞留が解消されていないうえ、コンドミニアム建築規制の解除などで住宅建設会社が大挙してコンドミニアム市場に参入すると予想され、現在の低迷局面はさらに深まる見通しです。【まとめ=權九讚(クォン・グチャン)記者】






