1993-03-31 | 姜太淵

「白建宇(ペク・コンウ)の音楽」満開誇示、「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲」全曲演奏

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在仏ピアニストの白建宇(47)がラフマニノフのピアノ協奏曲全曲を3日間(24・25・27日、KBSホール)にわたって演奏した。ロシア生まれのピアニストで作曲家でもあるラフマニノフの生誕120周年と逝去50周年を記念して特別企画されたこの演奏会は、ラフマニノフの音楽よりも「白建宇の音楽」の満開を存分に示す場であった。3日間の演奏会は、ラフマニノフを聴きに集まった聴衆に白建宇らしい一種の形式美を感じさせた。 高い山を一つ越えたような、あるいは印象深い旅から帰ってきたような深い味わいが、今回の演奏会日程からにじみ出た。 24日の初日は、白建宇がラフマニノフという道に沿ってこれから自らの音楽を広げてみせると語る序論だった。白建宇と共演したKBS交響楽団がまず、ラフマニノフの音楽世界へ旅行客を案内する序曲のように「ヴォカリーズ」を演奏した。首席客演指揮者のバタン・ジョルダニアが率いたKBS響は、ラフマニノフの甘くもの悲しく、柔らかくも強烈な音色を聴衆に味わわせた。続いて白建宇が登場した。彼の登録商標のようになった白色のハイネックのセーターを着た彼は、「ピアノ協奏曲第1番」と「パガニーニの主題による狂詩曲」を聴かせた。 ラフマニノフは音楽史においてロマン主義者に分類される。古典主義の次に来たロマン主義は、一人の人間の経験と感覚を最も劇的に自由に表現するのが特徴。加えてラフマニノフは優れたピアニストだった。ピアノという楽器を通じて自らの主観的な体験を悲しみを帯びるほど華麗にあらわした。 そのラフマニノフを白建宇は自らの指先で改めて解釈した。「協奏曲第1番」と「パガニーニ…」の2曲はいずれも速い速度にピアノ演奏のあらゆる技巧が刺繍された作品である。白建宇は初日の公演でラフマニノフ音楽のハードウエアとソフトウエアをあまねく披露した。鍵盤を掌握したかのように正確で繊細な運指法は、ともすれば鍵盤からあふれ出して滑ったり折れたりしかねない豊かで激烈な旋律を、きっちり定位置に置いた。 25日の2日目は、文章にたとえれば本論である。 わが国の聴衆にも耳慣れた協奏曲第4番と2番を順に演奏した。彼は思い切りラフマニノフを叩いた。最も広く演奏される2番の場合、映画音楽に使われるほど際立ったその通俗性までもが吹き飛んでしまった。荘重に伸びたかと思えば行進曲風に変わる速度の速い転換、荒い風浪が立った後に静かになった海や、削り立ったような奇岩絶壁の後ろに突然広がる野原を連想させる曲調の激しい起伏を、彼は自然に乗り越えた。 27日の最終日はKBS響がまず交響曲第2番を聴かせ、白建宇がピアノ協奏曲全4曲のうち最後に第3番を弾いた。完璧な結論だった。ペダルの乾いた使い方と指の弾力のためか、音は客席へ透明に飛んできた。よどみなく、単純に、愉快なほどにラフマニノフを演奏する白建宇の姿は、「自分流に弾く」という自由と「音楽に従う」という自己抑制が統一を成した見事なものであった。 指揮者のバタン・ジョルダニアは、自らの祖国ロシアの息づかいをこれほど透明な叙情性で解きほぐした白建宇を、演奏が終わるたびに心からの抱擁で称賛した。心からの拍手を送る聴衆に、彼は最終日、「パガニーニの主題による狂詩曲」をアンコール曲として贈った。 わが国の音楽界の質を一段高めた美しい音楽会であった。 [写真]◇ピアニスト白建宇のリハーサル風景。【姜太淵記者】