★山田英夫著 ソフトウエアを使用するためには、ハードウエアの規格とソフトの規格が同一でなければならない。どの規格が市場で標準規格となるかが、ハードの運命、さらには企業の収益を大きく左右する時代なのである。 したがって規格間の競争はますます激しくなっている。家庭用ビデオにおけるVHSとベータマックス、ビデオディスクにおけるレーザーディスクとVHDディスクの競争は記憶にも新しい。 山田英夫が著した「競争優位の規格戦略」(ダイヤモンド社刊・1800ウォン)は、まさにこうした規格競争を競争戦略の視点から分析した本である。 この本は数多くの事例を提示しながら、規格が重要な役割を果たす製品の特殊な動きを描いている。 例えば勝敗を決する時期。一般の製品は世帯普及率が10%を超える時点が重要である。このときの市場シェアがその後のシェアを決めるからである。 しかし規格が重要な製品はこれより早く、世帯普及率が223%前後のときに勝敗が分かれる。これは規格が介在する製品特有の「ネットワーク外部性」によるものである。ネットワーク外部性とは、ある規格を使用する人々の数が増えるほど、その規格の効用が倍加することをいう。ビデオテープを互いに交換して見る場合や、テープを店で借りて見る事例を考えれば、この理屈は明確になる。 既存の市場シェアの差が効用価値の差を生み、それによって物を購入しようとする顧客も大きな影響を受けることになる。そうなれば市場シェアの差は急速に拡大するしかない。ベータシステムの昨年の市場シェアは1%にすぎず、VHDディスクは特殊用途向けに転落してしまった。規格戦争で一度敗北すれば、再起はほぼ不可能だという話である。
1994-02-28 | 李勇雄
[先読み海外新刊]「互換性に注目せよ」
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