夢とロマンの島・済州島。自然の輝きと恵みに満ちた済州に位置する済州新羅ホテルは、異国的な香りが漂う代表的な建築物として挙げられる。 背後に漢拏山、前面に海を抱いて座る済州新羅は、中世スペイン風の独特な建築様式を反映した建物で、山と海という自然景観を見事に消化した傑作として遜色がない。 超高層建物で威圧感を与える他のホテルとは異なり、この建物はX字型の配置とともに地上5階、最高高さ21mの低層で建てられ、親しみやすさを与えている。漢拏山を遮らず周辺景観とも調和を成すためのこうした設計は、伝統的に低い建物が好まれるスペイン様式にならったもの。特に赤色の瓦とパステル色調の外壁は、あたかも地中海の別荘を連想させる。 90年7月1日に開館した済州新羅は、敷地1万3900余坪に330室の客室と宴会場など各種付帯施設を備えた特級ホテルで、開館10カ月で世界の耳目を集める幸運に恵まれたことでも有名だ。91年4月20日、ゴルバチョフ・ソ連大統領と盧泰愚(ノ・テウ)大統領との韓ソ首脳会談がここで開かれた。首脳会談が開かれた後、済州新羅には連日予約が殺到し、特にゴルビーが宿泊したロイヤルスイートルームは1日の宿泊費が70万ウォンの高価であるにもかかわらず、国内外の物好きが我先に訪れ、ホテル側は思わぬ好況を享受したという後日談。 中文団地ではハイアットに続き2番目に登場した済州新羅は、建築とインテリア・造園設計をそれぞれ分離し、米国やフランス、日本など国際的な専門業者に任せて注目を集めもした。建築設計は米国のリゾート専門設計業者であるWAT & G社が担当し、施工はサムスン建設が担ったが、資材をほとんど本土から搬入しなければならない関係で資材需給に苦労したと伝えられている。 ◇済州新羅ホテル
1994-07-30 | 權九讃
建築史探訪〈18〉済州新羅ホテル 漢拏山・海と調和、スペインの情趣漂う
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