1995-02-28 | 鄭在淑

劇場で絶望セール

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(大学路小劇場「オヌル」) 劇団「オヌル」(代表イ・スイン)は昨年8月の旗揚げ時から「30代のための自由空間」を宣言した。新たに旅立つには遅すぎ、このまま座り込むには心残りな30代、新世代の20代と旧世代の40代の間でもまれる30代だけの夢と現実を率直に語ってみようというのが劇団を作った目的だった。 彼らが創団後2作目として出した演劇「絶望セール」(3月5日まで大学路小劇場オヌル)は、その目的を実践した一種の啓蒙劇である。30代を中心とした各世代間の葛藤を3人の登場人物に愚痴らせる図式的な構成は平凡だったが、真実が込められているだけに胸に響いた。 この劇の主舞台は地下鉄の駅だ。幕が開くと、宝くじを熱心に削っている人々が見える。「宝くじを削る人々」、それはこの時代の一つの徴でもありうる。幸運以外に妙案のない普通の人々の自画像であり、劇の主人公たちの姿である。 この地下鉄駅のどこかのゴミ箱に、1等に当選した1億5000万ウォンの住宅宝くじが1枚落ちているという知らせを聞いた3人が、深夜の駅構内に忍び込む。一種のシチュエーション・コントというわけだ。戯曲を書いたキム・ギュンテが放送作家であるためか、TVドラマを見るような場面転換と人物描写が際立つ。 この当選宝くじを誰が手にするか、言い争っていた3人は、より哀れな者に譲ることに決める。名付けて「絶望セール」である。誰がより世の中に見捨てられ絶望したかを競い、最高の絶望者が宝くじの持ち主となるのだ。 30代の走者キム・ダルピル(チョン・インギ)は失業者だ。勉強も幸福もすべて後回しにし、時代の呼びかけに従って1980年代の運動圏で走った彼は、今になって買弁資本の寄生虫の役を務めることはできないとして職場を辞める。職場の上司に、かつての同志に、後輩に、妻に、あれこれ打ちのめされる彼は、この社会と妥協しないために、彼が夢見た集団と新鮮な事業を起こすために、金が必要である。 20代の走者チョン・ヘスク(チョン・ヨン)は狎鴎亭洞のオレンジ族だ。時間は多く、その時間をつぶすのに使う金は足りず、思い残すことなく一度たっぷり使ってみるのが彼女の希望である。1カ月に数百万ウォンの小遣いを使う友人たちを見て、彼女は絶望する。「金、金、金、金が仇だ。」 40代の走者ソン・ホシク(パク・チュンソン)は地下鉄のジプシー族。17歳でソウルに出て来て肉体労働の現場を転々としながら、部屋一つでも手に入れた彼は、1974年にある飲み屋で「維新なのか鬼神なのか…」とひと言言ったことで身を持ち崩した人物である。流言飛語の散布と国家元首冒とく罪で服役した彼は、地下鉄の駅をさまよい、彼を受け入れないこの社会への恨みを焼酎1杯で晴らす。「喉を通っていく絶望のピリッとした味!」 勝負はつかない。彼らは自分の世代の絶望をあまりに安く売り渡し、誰もその絶望を認めない。ゴミ箱をあさっていた清掃婦のおばさんが、万人に平等な一つの解決策を取り出す。焼酎である。 「これ一つで人生がすっかり変わるんだよ…くう、そう、この味だよ。1日の仕事を終えてこれを一杯あおる楽しみを知らないやつは、世の中を生きる資格がない。」 ◇わが社会の世代間の葛藤を3人の人物を通じて描いた演劇「絶望セール」。