1996-09-30 | 朴淵雨

今年に入り映画製作費が急増

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今年に入り、映画1本の製作に少なくて15億ウォン、多い場合は40億ウォンまで投じる大型映画ブームが起きている。しかし、こうした映画製作費の急増は作品性はもちろん興行に直結するものではないうえ、たとえ観客動員に成功しても、肝心の映画会社側には残るものがほとんどなく、製作会社に負担となっている。 映画界の関係者は、今年に入り製作費が急上昇した理由として▲主演俳優の出演料上昇▲高級化したセット▲細分化されたスタッフの人件費▲ほとんどの映画に導入されるコンピューターグラフィックスなどを挙げる。また、リアリティーを高めるために頻繁になった海外ロケや海外合作映画の増加も主要な原因として指摘されている。 昨年、最高の製作費を投じた映画は「銀杏のベッド」で15億ウォンだった。 10月12日公開予定の武侠映画「鬼泉刀」(李京英監督)には総額22億ウォンが投入された。これは製作を終えた映画のうち最も金がかかったものだ。しかし現在製作中または製作予定の10本の映画に比べれば、さほど驚くことではない。これらの映画は最低15億ウォンから最高40億ウォンをかけて作られる。 新たに映画産業に進出したCJグループが製作する「クーデター」(金鍾学監督)は、製作にかかる総費用を40億ウォンと計上している。CJグループはこのほか、サハラを舞台に南北の若者の愛を描く「インシャラー」(李民容監督)に25億ウォン、大衆文化と現代人の裏面読みを描く「ノンフィクション」(朴鍾元監督)に15億ウォンの製作費を投入し撮影している。 このほかにも20億ウォンを超える製作費を注ぎ込む映画は数多い。国内初のロシア全面ロケ映画「傭兵イワン」(李賢石監督)は25億ウォン、ヤクザ周辺の韓国のヤクザ話を描く「チンピラ授業」(金相辰監督)や、映画音楽を好む若者の夢と絶望を素材にした「地上挽歌」(金熙哲監督)などに20億ウォンをかける。 李政宰のカムバック作品として話題を集めている「火の鳥」(金永彬監督)も19億ウォンは十分かかると映画会社はみている。 平均製作費である15億ウォン水準で製作されている映画には、若く純粋な魂の愛と死を描いた「緑の魚」、亡き妻の魂と愛する国内版「ゴースト」と比される「ゴースト・ママ」(韓志承監督)、自分が一番だと信じる主人公のハプニングを描いた「未知王」(金容太監督)などがある。 こうした製作費の急増で、肝心の映画会社には残るものがほとんどないありさまだ。今年興行に成功した製作会社も、あれこれ差し引けばいわゆる「トントン」で、ようやく収支が均衡した程度とされる。 これは現在の平均製作費自体が過度に支出されているということだ。映画関係者は『わが国の映画市場の規模を考えれば、6億ウォンから7億ウォン程度が製作費の適正水準だ』と主張する。 シネシティの申鉄社長は『大企業を中心に各所から押し寄せる製作支援で製作費が急上昇している』とし、『効率的に予算を執行しつつ、それを作品性に結びつけるプロ精神で武装した映画製作方式が必要な時だ』と指摘した。【朴淵雨】 [写真] ◇スター級俳優のキャスティングなどで映画製作費が大きく上昇している。国内初のロシア全面ロケが行われている「傭兵イワン」。