1996-12-31

96年株式市場・取材記者座談/景気低迷…需給不安…労働法の波紋…

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◎株価は4年前へ逆戻り「投資家憂鬱」/政府役割縮小「制度改善案」自律証券市場の第一歩/第3四半期だけで2兆5000億供給…反発の試みは無為に/「景気関連銘柄は避けよう」個別銘柄が前例のない強さ/10大グループ系列会社にもM&Aの熱風「財界驚愕」/「信用期限延長など中途半端な浮揚策が指数下落を煽る」/「景気好転は不透明、大統領選なども障害、来年の株式市場は灰色」1996年の株式市場は景気低迷と需給不安で年間を通じて低迷のトンネルから抜け出せない憂鬱な一年であった。年初888.85で始まった総合株価指数は年末651.22ポイントで引け、年初より株価指数が実に237.63ポイントも下落した。さらに年末の大納会指数が年間最低値を記録するという証券市場史上前例のない状況が演出され、投資家をより一層沈痛にさせた。これまで取材の最前線で肌で感じた株式市場の状況を整理してみる。 □出席者名簿 イ・ジョンスン(証券部長、司会) チャン・リンヨン(証券部記者) キム・ヒョンギ(〃記者) チョン・ワンジュ(〃記者) チェ・サンギル(〃記者) チョン・ジェホン(〃記者) イム・ソクフン(〃記者) キム・ヒソク(〃記者) チョン・ミョンス(〃記者) カン・リョン(〃記者) 日時:1996.12.28 場所:編集局会議室 ▲司会=まず今年の株式市場を整理してみましょう。 ―景気低迷と需給不安で株式市場が低迷を免れなかった一年でした。景気不振で大型優良株の株価が3年前の水準に戻り、需給不均衡の深化のなかで低価格大型株の下落幅が拡大しました。また証券業界のうわさ調査説などで個別銘柄も急落を繰り返しました。 ―第1四半期までは景気の軟着陸が可能だろうという見方が優勢で、株式市場も楽観的な見通しが主流でした。しかし4月11日の総選挙が終わると悲観的な見通しが出て徐々に低迷期に入り、大納会の頃に与党が労働関係法を強行採決すると株式市場も混乱の渦に巻き込まれました。 ―株式市場が低迷を見せるたびに買いに動いていた証券市場安定基金が解体され、政府も株式市場の自律性強化を唱えて関心を示さなくなると、投資心理はさらに冷え込みました。 ―こうした状況で莫大な損失を被った一般投資家は新聞社に電話をかけ、言えない事情を打ち明けて号泣することもありました。住んでいた家を売って賃貸に移る場合もあり、家族に隠れて株式投資をしていて株価暴落で家庭崩壊に至った事例もありました。 ▲司会=株式市場のリズムが完全に崩壊したようです。また証券関連機関も政府の統制圏を外れた感じです。 ―まず政府が株式市場安定のための努力を怠りました。株式市場が反発するたびに政府は供給量を拡大して冷や水を浴びせました。 外国人枠拡大と資金市場の安定で投資雰囲気が回復し、指数1000ポイント突破を目前にして政府は公企業売却など第3四半期の供給量拡大を打ち出しました。四半期別に見て6年ぶりの最大規模である2兆5000億ウォンを注ぎ込むと言い出したのですから、久しぶりに活気を取り戻していた投資家の立場ではあきれるばかりでした。 ―わずかに出てきた浮揚策もタイミングが合いませんでした。浮揚策が出るという期待感で反発の兆しを見せても、実際に出ると後続の買いが続かず失望売りばかり出ました。こうして政府の浮揚策は効き目が薄れました。 ―むしろ中途半端な浮揚策や規制緩和は株価指数の下落を加速させました。信用期限延長と第2部銘柄への信用許容および株価制限幅の拡大は、下半期の低迷の泥沼から抜け出せない足かせとなってしまいました。 ―断片的な浮揚策よりも、より根本的な政策を打ち出すべきだという意見が多いです。隠れている資金を株式市場に誘引する措置が必要だということです。現在、私債市場を回っていたり死蔵されている資金が数兆ウォンに達するというのです。 ▲司会=結局、政治の論理が株価下落を煽ったのではないですか。 ―総合株価指数が文民政府発足当時の水準を下回りました。今年に入って政府は厳しい経済を立て直すよりもOECD(Organization for Economic Cooperation and Development:経済協力開発機構)加盟に重点を置きました。 無理に金利安定化を誘導しましたが失敗に終わり、これを信じて債券投資をした証券会社などの機関が損失を被りました。消費抑制と貯蓄増大の観点から復活させた勤労者株式貯蓄に加入していた人々も株価下落でしわが増えました。 ―しかし「韓国版ビッグバン」と呼ばれる証券制度改善案がまとめられたことは意義が大きいです。政府の株式供給量調節制度を廃止し、価格決定の自律化を図ったという点で高い点数を与えられます。 また公開と増資の要件を強化して投資家を保護する装置が備わった点も高く評価したいです。株式市場の周辺環境の悪化で光を見ませんでしたが、長期的には株式市場発展の土台となるとみられます。 ▲司会=今年はとりわけ個別銘柄の強さが目立ちました。 ―景気低迷で景気関連銘柄はとりあえず避けようという心理が広がりました。特許関連、新技術や新製品開発関連銘柄、情報通信株、M&A(Mergers and Acquisitions:企業買収合併)株などがイシューが浮上するたびに循環しながら着実に相場を主導しました。 ―個別銘柄の強さのなかで数多くの流行語も飛び交いました。企業の内在価値や実績よりも、その銘柄にどの勢力が関心を持っているか、すなわち主が誰かによって「勢力価値」が付けられました。 ブルーチップ(大型優良株)が不振のなかで、ブラックチップという新造語が生まれました。廃鉱地域を観光特区として開発するという政府の方針により恩恵が期待される江原道に炭鉱を保有する企業をそう呼びました。このほか「ホウセンカ5人衆」だとか「サケ株」といった言葉も一時、証券業界で語られました。 ―個別銘柄が活気を帯びる状況で、仕掛け調査やうわさ根絶の知らせが伝わり投資心理が急冷することもありました。 政府の司正スケジュールに従い検察や証券当局は個別銘柄に刃を向けました。とくにペク・ウォング院長の拘束後、証券監督機関は株式市場の低迷にかまわないとでもいうように、時をわきまえず仕掛け調査に乗り出し投資家の怨嗟を買いました。 ―こうした状況でファンドマネジャーも苦労が多かったです。個別銘柄に手を出せば役員や証券当局の顔色が尋常でなく、大型株や優良株は妙味が望めない状況でジレンマに陥ったのです。 ▲司会=今年は政府が通貨政策を柔軟に運用しても企業の不渡り事態は収まりませんでした。 ―今年は不渡りで始まり不渡りで終わった一年でした。年初に大型建設会社のウソン建設が不渡りでハンイルグループに渡りました。続いてコンヨンが不渡りを出し、大納会の1週間前には中堅建設会社の(株)トンシンも不渡りで法定管理を申請するに至りました。 建設会社の不渡りが起きるたびに当該企業はもちろん、住宅建設会社や主力取引銀行の株価は急落しました。そのため年末には額面(5000ウォン)を下回る銀行株が続出しました。 ―資金事情の悪化で会社が困難に陥り、株価下落で投資家が被害を受けるなかでも、一部の大株主は節税のために贈与と取り消しを繰り返して白眼視されました。投資家の間では、大株主が株価上昇を嫌う企業の株をどうして買えるのかという非難も起きました。 ▲司会=今年の証券市場ではM&Aの熱風がどの年よりも激しかったです。 ―来年4月から証券取引法200条が廃止され公開買い付け要件が厳しくなることに備えて継続的に進んでいたM&Aが、ハンファ総合金融の件が浮上して経済界を直撃しました。少数株主を集めて10大グループ系列会社を相手に、しかも金袋を出せと出てきたのですから財界は驚愕しました。 また地方焼酎3社が100年の歴史を持つ斗山グループの主力企業であるOriental Breweryに対し帳簿閲覧権を要求して話題になりました。ついに財界が動き、政府にM&A要件の強化を要請するに至りました。 ―今年に入っただけでコニ精密、ヨンウ通商、クンジャ産業など実に20社の主が変わりました。またテハンパルプの少数投資家が臨時株主総会を要求して話題になりました。少数株主が自らの権利を主張したという点は株式市場の発展のためにも望ましい姿とみられます。このほかハンド総合金融が競争的な公開買い付けの標的となり、シンハン総合金融の持分確保競争はいまなお激しく展開されています。 ▲司会=今年は外国人株式投資枠の拡大が2度もありましたね。 ―4月と10月に枠を追加拡大し20%まで高まりました。しかし外国人が国内株式市場に及ぼす影響は20%にとどまりませんでした。外国人が売るといううわさが流れるだけで下限値まで急落するのが常でした。 ―これに対し一部では、外国人の悲観的な見通しが株式市場低迷の谷を深くしたという非難も出ました。しかし今年の株式市場をかろうじて支えたのは外国人でした。国内機関投資家や個人が今年それぞれ2兆ウォン、1兆5000億ウォンを純売却しましたが、外国人は3兆ウォン分を純買いし、かろうじて株価を支えた形です。 ―外国人はまた株価指数先物と連動して現物を処分し、株価指数が一瞬で急落して株式市場がひっくり返ることもありました。「尾が胴体を振る」という先物市場のことわざを実感させました。先物市場導入時に懸念された外国人による市場撹乱が現実となり、再発防止策を講じるべきだという声が高まりました。 ―証券業界では派生商品の導入時期が早かったという見方と、先進市場を学ぶ授業料程度にすぎないという意見に分かれましたが、結局は先物市場への関心を高める契機となりました。 ▲司会=来年の株式市場の見通しは。 ―景気がいつ底を打つかが鍵です。今のところ来年の景気が今年より大きく良くなることはないという見通しが優勢です。 また労働法関係法改正による社会的対立の深化、大統領選を前にした政治不安などが株式市場に暗雲を垂れ込めています。政府が約束した来年上半期中の韓国通信株の上場も需給不安を招くとみられます。 ―しかし来年末の大統領選を前にした状況で、政府が経済の成績表である株価指数に関心を持たざるを得ないという見方も少なくありません。

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