2002-07-31

米ニューエコノミーはどこへ

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米国のニューエコノミー(New Economy)が色あせ始めたのは2年前からだった。しかし昨年の9・11テロ事件が起きるまでは、ニューエコノミーへの期待は消えていなかった。 その後、米国経済は9・11によって致命的な打撃を受け、続いてエネルギー大手エンロン、会計事務所アーサー・アンダーセン、通信会社ワールドコムなどが相次いで破綻し、ニューエコノミーもまた破綻状態にある。 色あせた新経済成長神話 ニューエコノミーが真っ盛りだった時期にこれを主導した米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン議長は、ニューエコノミーを「繁栄のオアシス」に例えた。 1980年代末から10年間続いた米国経済の成長は、驚異と賛嘆の対象だった。 「インフレなき成長」、すなわち低い失業率、低い物価のなかで成長を10年も持続させるということは景気循環論を覆すものだとして、経済学の教科書を書き直すべきだと騒ぎ立てもした。 ニューエコノミーに関する分析が繁栄のための福音のようにあふれ出た。米MIT大学のポール・クルーグマン教授のような人物がIT業種の株価はピラミッド詐欺に類似すると遅れて警告を発しはしたが、80年代レーガン政権の経済構造改革、90年代クリントン政権のITインフラ構築と大規模IT投資によって成し遂げられた情報革命がニューエコノミーの基盤であり、過去とはまったく異なるパターンの成長が可能になったという主張が大勢を占めた。 今、米国経済の破綻原因についての分析も多様である。ジョージ・W・ブッシュ大統領は「企業家の貪欲」という宗教的命題を持ち出した。米国株式市場の大物ウォーレン・バフェットが最高経営者のストックオプションを最大の問題点に挙げたのも同じ文脈である。 MIT大のレスター・サロー教授は「最近の状況は偶然ではなく、好況の末期に好況を続けよという圧力が作り出したものだ」と語る。 好況時には不正を隠しやすいが、そうした歳月が10年も続いたために不正が累積し、小さな不況にも耐えられなかったということだ。 メリーランド大学のベンジャミン・バーバー教授は、資本主義の失敗ではなく民主主義の失敗が原因だと述べた。資本の腐敗は日常的なものだが、過去30年間に米国社会を支配した市場原理主義(Market Fundamentalism)、過度な民営化と規制撤廃によって公共機能まで弱まり、企業不正が助長されたということだ。 処方については誰もが同じ声である。信頼回復が最優先課題だというのだ。このため最近、規制と罰則を強化した会計関連法が上・下院を通過し、ブッシュ大統領をはじめグリーンスパンFRB議長、ポール・オニール財務長官などが米国経済の基礎体力論を力説している。 10年の好況期の間、米ニューヨーク株式市場のダウ平均は2,000ポイント水準から1万ポイント以上へと5倍に上昇した。一時7,000ポイント台まで下落したダウ平均は、現在は最高値比で20%程度下げた8,000ポイント台で上下を繰り返している。 株式市場の低迷のなかで財政および貿易における双子の赤字が再発しているが、今年も米国経済は2~3%台の成長を持続する見通しだ。その点で、89年初めに900ポイント台から出発し、10年の間に3度1,000ポイントを超えたものの、IMF管理体制時には280.00ポイントまで下落するなど、乱高下の連続である韓国株式市場とは基本条件が異なる。 好況時に不況に備える経営 米国経済の破綻原因は遠くにばかり求める必要もないという思いもする。山が高ければ谷も深いものだ。いったん甘い夢に浸れば、その夢から覚めないことを願うのが人間の本性であり弱点である。 いくら米国株式市場が低迷しても、韓国の市場のように10年前の水準(2,000ポイント)を下回ることはないという信頼も確固としている。 経済活動も世の中を生きる理と同じく、好況時に不況に備える姿勢を忘れてはならない。そうした姿勢は政府・企業・家計などすべての経済主体に当てはまる。将来のリスクに備える企業ほど不正から自由になるということこそ、経営の真髄である。

論説委員記者

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