証券取引委員会(SEC)など米国の監督当局が株式のインサイダー取引に対する規制を強化しているが、内部情報を利用した取引行為も一段と巧妙になっている。
サーベンス・オクスリー法などによりインサイダー取引への規制は強化されたが、ミューチュアルファンドの株式売買情報を事前に入手して株式を売買するなど、インサイダー取引の手法も先端化しているのである。
米政府は公正開示制度、サーベンス・オクスリー法などインサイダー取引を遮断するための一連の措置を講じた。しかし、こうした規制強化措置にもかかわらず、内部情報を利用した株式取引はなかなか根絶されていない。
とくにヘッジファンドが大幅に増えるなか、資産委託を餌に株式型ファンドの株式売買状況に関する情報をほぼリアルタイムで把握して株式を売買する新種のインサイダー取引が横行している。
バンク・ワン投資顧問は最近、インサイダー取引行為に関する訴訟で9,000万ドルの罰金を支払うことで合意した。SECによると、バンク・ワンは自らが運用するファンドの株式売買状況に関する情報をヘッジファンド会社のカナリー・キャピタル・パートナーズに提供する見返りに、資産管理業務を獲得した。
通常、株式型ファンドはいったん特定の銘柄を買い始めると、一定比率に達するまで株式を追加取得する。したがって、ファンドの株式売買状況に関する情報は相当な売買差益を保証しうる。
ヘッジファンドが増えるにつれ、株式のインサイダー取引行為も一段と巧妙になっている。米国の投資資産全体のうちヘッジファンドが占める比重は7%にすぎないが、証券会社の売買手数料収入への寄与度は25%に達する。そのため証券会社は、ヘッジファンドのマネジャーが主要企業の役員から会社の営業状況や見通しについて意見を聞ける席を設けたり、株式型ファンドの売買情報をそっと教えたりしている。
このため、監督当局がいくら規制を強化してもインサイダー取引を完全に根絶することはできないと指摘されている。ファンド会社ロー・プライス・グループのアンドリュー・ブルック氏は「株式関連情報も商品と同じであり、すべての投資家に同時に公開されるものではなく、金(手数料)を払って買うものだ」と語った。






