オサマ・ビンラディンが米大統領選の終盤で最大の変数として浮上した。ビンラディンが先月29日にジョージ・W・ブッシュ政権を非難する姿がアラブのアルジャジーラ放送を通じて放映された後、一部の世論調査ではブッシュ大統領の支持率が上昇した。
ビンラディンの意図とは異なり、米国民の安保不安心理が高まり、テロとの戦いの適任者であることを強調してきたブッシュの支持率が上がったのである。
しかしワシントン・ポストの世論調査ではケリーの支持率が1%ポイント上昇するなど、「ビンラディン風」がどこへ吹くかは不透明な状況だ。ビンラディンの登場後、ブッシュとケリーの双方はそれぞれ自らの対テロ政策の優位性を強調することに最後の総力を挙げている。
○…アルカイダ指導者ビンラディンは10月29日、アルジャジーラ放送で公開したビデオで2001年の9・11米国テロ事件の責任を初めて認めた。
ビンラディンはまた、9・11事件から4年目に入ったが、ブッシュ米大統領はいまだに米国民を欺き、事件が起きた本当の理由を隠していると非難し、これは事件が再発する理由がまだ残っていることを意味すると脅した。
米政府当局者はこの日、テープの真偽に関連し、テープは本物で最近制作されたものと信じられると明らかにした。
○…時事週刊誌ニューズウィークは、ビンラディンのテープが放映された後の世論調査でブッシュ大統領の優位がより明確になったと報じた。ニューズウィークが27~29日の3日間実施した世論調査の結果、ラルフ・ネーダー無所属候補まで含めた三者対決を仮定した場合、ブッシュ大統領の支持率が50%、民主党のジョン・ケリー候補が44%、ネーダー候補が1%とそれぞれなった。
先週の調査ではブッシュ48%、ケリー46%だった。ニューズウィークは、テロ関連の争点が前面に浮上するたびに受益者は常にブッシュ大統領だったと説明した。
しかしワシントン・ポストの30日の世論調査ではケリー候補への支持率が前日より1%ポイント上昇するなど、ビンラディンのテープがブッシュにのみ有利に作用しているわけではない。
○…対テロ戦が終盤の争点として急浮上し、ブッシュとケリーの双方はそれぞれ自らのテロ政策の優位性を主張し始めた。
ブッシュ大統領はテロの脅威から米国を救うのは自分自身であるという点を改めて浮き彫りにし、ケリー候補はビンラディンが依然生きていることはこれまでのブッシュ政権のテロ政策の失敗を示す代表的な事例だと反論した。
これに関連しニューヨーク・タイムズは、ブッシュ大統領はテロへの恐怖を呼び起こすことでイラク戦争や経済などこれまでの国政遂行の結果に対する懸念の視線を転換させており、ケリー候補はビンラディンなどすべてのテロリストを除去するという強いメッセージを投げかけることに注力していると報じた。
この両候補は遊説最後の週末である30日、フロリダ・ミネソタ・ウィスコンシン・ミシガン・オハイオ州など大接戦地域を集中的に攻略した。
○…ビンラディンのテープは放映されたものの、これまで米政界とメディア界で飛び交っていた「10月の衝撃」は現実化しないまま11月を迎えることになった。しかし、いまだ大統領選に決定的な影響を及ぼす終盤の大事件が突出する可能性を排除できないとの分析だ。
これまで「10月の衝撃」の定番メニューだったビンラディンやアルザルカウィなど大物テロリストの逮捕または射殺の可能性が完全に排除されたわけではない。
また、イラクやアフガニスタンで新たな変数が突出することもあり得る。すでにイラクで377トンの高性能爆弾が開戦後の治安不在の状況で略奪または盗難されたとの主張が出て、ケリー候補に良い攻撃材料を提供している状況だ。
対テロ戦とは無関係だが、今回の選挙の熱気、とくに期日前投票のブームを考慮すると、早くから大規模な不正選挙の争いが起きる可能性も排除できない。
○…今年の米大統領選で投票率が急増するだろうという点では予想が一致するが、投票率の上昇がブッシュ大統領とケリー候補のどちらに有利に作用するかについては誰も断言できていない。
ただ、普段投票しない人々の中には民主党支持の傾向が多いという一般論に従い、投票率が本当に急騰した場合はケリー候補に有利な結果を生むだろうとの見通しが慎重に出ている。
ブッシュ大統領側は前回の大統領選で投票しなかった白人福音主義者400万人を今回の大統領選に動員することが再選成功への近道だと判断し、終盤で手綱を締めており、ケリー側は青年層の投票率引き上げに全力を注いでいる。
○…2000年の大統領選に続き今回も、投票当日に当選者が確定しない可能性があるとワシントン・ポストが報じた。最大の問題は前回の大統領選後に新たに導入された暫定投票で、暫定投票とは投票者名簿に入っていない人が投票所に来た場合、その人に渡す投票用紙を指す。
これらは別途保管され、投票者の有権者資格が確認された後に計算されるが、各州はこれらを集計する期限をそれぞれ異なって定めており、最終集計までには相当な時間がかかると予想されている。
さらに接戦を繰り広げる選挙区での法的紛争の可能性も高まっており、当選者の確定は数日から数週間まで遅れる可能性があると選挙専門家は述べた。






