[人生に定年はない]認識の大転換が必要だ ■ 雇用をつくろう 老人を堂々たる経済の構成員に 「福祉費用を割いてやる対象」との固定観念は依然 単純な臨時職だけを増やしては高齢化の解決は遠い 「生涯雇用システム」など中長期的な接近が必要
李炳官(イ・ビョングァン)記者 comeon@sed.co.kr
関連記事
• [人生に定年はない]インタビュー
「老人の雇用問題は、ライフサイクルの変化に応じた生涯雇用システムを構築するという姿勢で中長期的に接近しなければならない」
政府はもちろん、企業・社会もいまだに老人層を社会的負担と考え、福祉費用を割いてやるべき対象と見る旧パラダイムから抜け出せていないと専門家は口をそろえる。
李仁在(イ・インジェ)漢神大教授は「急激な高齢社会へと突き進む中、老人人材を活用せずには、人口経済学的に見て経済的な人的基盤が崩壊するのは火を見るより明らかだ」とし、「政府は短期的に老人の雇用を拡大するよりも、老人が社会で役割を果たせるシステムをつくることに重点を置くべきだ」と述べた。
老人問題の専門家および実務者は、政府が昨年から始めた「2007年までに30万件の老人雇用創出」事業を、根本的な方向性のない展示行政だと指摘する。大多数が路上清掃など単純職であるうえ、月20万ウォンで6カ月の期限付き職であり、老人の雇用を解決するには遠いとの批判だ。
梁哲浩(ヤン・チョルホ)東新大学校教授は「公共勤労の拡大などで老人の臨時職を量産することは解決策になり得ない」とし、「政府は老人が経済の構成員として自立できるよう、老人人材支援機関の拡大など老人雇用の基盤事業を提供することに注力すべきだ」と指摘した。
韓国は大韓老人会・老人福祉館などを通じて老人の就業斡旋を提供しているだけで、老人の雇用創出のための全国ネットワークは事実上ない状態だ。2001年に「韓国シニアクラブ協会」が設立され、森林生態解説専門家課程の新設など常時的な老人雇用創出に乗り出しているが、これも今年から地方に移譲され推進力を失っている。
日本は80年代初めから首相の下で全内閣が本腰を入れ、全国に1790カ所の「シルバー人材センター」を設立し、求職を希望する老人に新たな仕事の開発や民間就業などを支援している。
景気低迷による若年失業に押され、老人失業を遠い将来の話と見なす社会の雰囲気も問題だとの指摘だ。漢神大の李教授は「老人失業が不動産問題、低成長問題など足元の懸案のために後回しにされている」とし、「このまま老人問題を放置すれば、10~20年後に大きな国家的災難に直面するだろう」と述べた。
主管部処である韓国保健福祉部の関係者も「政府が高齢社会に備え少子化・高齢社会委員会をつくるなどアクションを取ってはいるが、実際の実行段階では予算不足などの理由で後回しにされているのが現実だ」とし、「老人問題は差し迫った案件ではないという認識のため、政策の優先順位で押されている」と述べた。
企業も、ライフサイクル上60歳という労働の定年がなくなった以上、積極的に老人人材を採用すべきだという声が高い。そのためには定年制の廃止、賃金ピーク制など社会制度の変化が急がれるというのが専門家の一致した主張だ。日本企業の相当数は、自社で働いていた職員を60歳を超えても賃金の半分を支給して再雇用する事例が多い。
専門家は、老人問題は数十万件の短期雇用創出で解決してはならず、社会全体が高齢化社会の到来に伴い国家経済の堅固な基盤構築という次元で生涯雇用システムをつくっていくという新たなパラダイムで接近すべきだと強調した。
入力時間 : 2005/06/30 19:00






