2006-12-31

[2007年を輝かせるCEO] 李相雲 暁星社長

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李相雲(イ・サンウン)暁星社長はグループ経営を統括する専門経営者である。1976年に暁星物産に入社して以来、ずっと「暁星マン」として生きてきた。一時は繊維輸出の鬼才という名声をとどろかせたこともある。彼は繊維産業の本場であるイタリア・ミラノ支店長やオーストラリア・シドニー支店長などを務めた。これを通じて国際繊維業界の動向を身につけ、暁星物産の企画室、市場開拓室、事業開発室などを経て業務経験を積んできた。

暁星物産が資金難に苦しんでいた1998年には、他人が避ける財務担当役員を自ら志願し、足が擦り切れるほど銀行に通った末、金融界の支援を引き出すうえで中核的な役割も担った。

険しい道を避けなかった彼の軌跡は、2001年に戦略本部長を務め、構造調整などグループの懸案を統括しながら輝きを放った。厳しい経営環境の中でも暁星が新たに変身できる基盤固めの作業を着実に進めたのである。こうした努力のおかげで2002年には専務から社長へ2段階の昇進を果たし、新設ポストである「最高執行責任者(COO・Chief Operating Officer)」に抜擢されもした。

李相雲社長は現在、㈱暁星をタイヤコードやスパンデックス、重電機など既存の中核事業のグローバル競争力強化に注力している。

彼が描くグローバル暁星は、中国、米州、欧州など世界各地に強固な生産基盤を構築することである。中国・青島のスチールコード(タイヤコードの一種)工場、珠海のスパンデックス工場を通じて現地生産能力を高めており、昨年は南通友邦変圧器会社とドイツ・アグフアフォト社の資産、グッドイヤーのタイヤコード工場などを相次いで買収した。最近は東国貿易の中国スパンデックス工場も買収し、海外の合併・買収(M&A)を通じて既存の主力事業を強化する足場を整えたとの評価を受けている。

暁星の関係者は「李相雲社長はタイヤコードなど中核事業部門で、高付加価値製品市場である欧州と最大の成長市場の一つである南米などに拠点を確保することに注力している」とし、「大陸別の現地生産と供給が可能な『真のグローバルネットワーク』構築を主導する人物だ」と評価した。

周囲では彼を「信念のあるCEO」と呼ぶ。仕事の処理に隙がなく推進力が強く、いったん事を進めれば目標達成が果たされるよう緻密な戦略を基に周到綿密に押し進めるCEO型との評価を受けている。新入社員の時から常に朝7時半前に出勤していた事実は、社内で知らない人がいないほど広く知られている。ファッションセンスにも優れ、繊維を母体に成長した暁星グループでもベストドレッサーとして通る。

李相雲社長は新年の経営戦略を「苦尽甘来」と要約する。これまでの中国と米州地域におけるタイヤコードやスパンデックス、重電機器の工場建設とM&Aの成果が可視化されると期待されるからだ。特に既存事業と連携したグローバル生産基地の経営成果がグループの成長発展を牽引すると期待を集めている。

今年はまた、将来の成長エンジンとなる新事業の発掘を加速する予定である。そのために事業構造を高度化し、暁星技術院を中心とした研究開発(R&D)活動を強化するとともに、将来が有望な事業分野の合併・買収(M&A)を推進する計画だ。李相雲社長の2007年の歩みに財界の関心と注目が集まる理由である。

● CEOメッセージ

「顧客の欲求を品質で満たせ」

「組織の一員がすべきことは顧客の要求から見いださなければならず、顧客のニーズを把握して満たさなければならない」

李相雲社長は機会があるたびに「顧客中心経営」と「品質経営」を力説する。李社長の顧客と品質に対する信念は確固としている。品質優位を基にした顧客中心経営を中核価値としてこそ、持続成長が可能な企業になれると信じているからだ。

李社長はまた「一段高い顧客のニーズを創出し、顧客に価値を加えることで高い価格を得て利益を最大化しなければならない」とし、「そのためには顧客のニーズが何か、市場環境がどう変わるのか、競合会社の技術と品質、そしてコストはどうかなどについて細密に把握し、改善策を見つけ出す仕事が全役職員の業務習慣としてしっかり根付かなければならない」と力説する。

市場の趨勢に追いつくことに汲々とせず、顧客の価値をどう創出するかという根本的な視点で市場と製品を再び見なければならないという話である。

彼はこれとともにグローバル競争力の強化を常に強調する。グローバル市場と世界の顧客に対する徹底した分析を基盤に、品質向上を通じた差別化製品の拡大と高収益販売網の構築などを通じて会社の収益性を絶えず高めていかなければならないという意味だ。これは生産と流通・販売市場がグローバル化するなか、相対的な競争優位を持つには品質が最も重要な要素になるだろうという確信に起因したものである。

李相雲社長は社員との対話の場を持つたびに「グローバル超一流企業と競争するためには、最高でなければ売ることもできず、売ってもならない」と強調する。このため彼は常に社員に対し、仕事の水準を一段「アップグレード」させるよう求める。

彼は特に品質と顧客をなぞらえ、風樹之嘆の四字熟語をよく引用する。顧客は品質が良くなる時を待ってくれないという点を強調したいのである。

李社長がこのように品質を強調するのは、1976年に暁星物産に入社した後、化繊分野の営業や企画・資金業務などを幅広く経験したため、誰よりも「品質」の重要性をよく知っているからだ。品質の落ちる製品を一つ売れば会社全体のイメージが悪くなるというのが李社長の持論である。結局、最終目標は他社ができない価値を提供し、顧客が暁星プレミアムを認めてくれるようにすることだ。

● CEOが薦める一冊の本『割れ窓の法則』

「小さな問題から集中してこそ成功」

薄くひびが入った鏡や自動車のガラスを、傷が小さいと見過ごしたりテープで貼って乗り回していると、ある日ガラス全体がぱっと割れるのを目にすることになります。恋愛の時も大した問題ではないと覆っておいたものが結局別れの原因になり、何気なく放っておいた小さな糸くず一つが「だらしない人」に見せて重要な契約を台無しにすることもあります。

こうした現象はビジネスと私たちの社会の中であまりに広範に適用されており、一つの経営理論として研究されています。「割れ窓理論(Broken window theory)」は、まさにこのような現象を企業経営と組織管理に適用する方法について多様な事例で示します。

1994年にニューヨーク市長に就任したルドルフ・ジュリアーニは、マンハッタンを「家族的な都市」にするため、地下鉄の落書きや無賃乗車、性売買など軽犯罪との戦争を宣言しました。反対論者はジュリアーニが強力犯罪は放置して軽犯罪ばかり取り締まっていると嘲笑しましたが、市長は些細な犯罪を防ぐことがすなわちいかなる犯罪も容認しないという強力なメッセージを伝えることだと判断したのです。「赤信号で道を渡る人を止められないなら、強盗も止められない」というのが彼の信念だったといいます。

軽犯罪取り締まりの成果は途方もないものでした。ニューヨーク市の犯罪率は37%減少し、殺人事件は50%減りました。世界中の多くの企業が経営戦略やビジョンには多くの努力と時間を投資しながら、実際には企業の競争力を食いつぶす些細だが致命的なものを見過ごしています。企業と組織の一員に「小さく些細な問題」から集中しなければ成功できないというメッセージは、今年も有用な教えです。

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