今年のドバイ原油の平均価格は需給面のみで見れば、昨年の平均価格である1バレル61.6ドルよりはやや低い58ドル前後と見通される。世界の石油需給は非石油輸出国機構(OPEC)の供給増加が1日約150万バレルと予想される一方、世界の石油需要増加は過去10年間の平均水準といえる1日120万バレル程度と予想され、需給環境がやや改善するとみられるためである。
しかしOPECは原油の供給過剰による価格下落を抑制するため既に減産を推進してきており、来る2月からは50万b/dを追加的に減産することを決定しているため、こうしたOPECの減産政策の成否が今年の国際原油市況を決定する主要な変数となるだろう。
OPECの減産如何が最大の変数
これとともに、現在潜伏している地政学的な不安要因が、状況の展開次第では原油市況に大きな影響を及ぼしうる。このうちイラン核問題はいつでも原油市場の不安要因として作用しうるし、昨年も石油施設テロにより生産支障が深刻だったナイジェリアが4月の大統領選を前に政治的混乱が増す可能性がある。イラクの政情も依然として不安定な状態である。また昨年は異常気象がなく天候変化による油価上昇の影響は大きくなかったが、もし今年カトリーナ台風のような異常気象が発生すれば油価に大きな影響を及ぼしうる。もしこうした地政学的要因や事件・事故、異常気象などによる供給支障が発生すれば、ドバイ原油価格は1バレル60ドルを大きく上回ると予想される。
今年も国際的な資源確保競争はさらに先鋭化する見通しである。特に資源の暴食に近い中国の動きは国際的な外交葛藤に発展する可能性もある。西側諸国は、中国が独裁国家・不良国家を問わず巨額の援助と負債免除を通じて資源を確保する行為や、自国の資源開発企業に対する無利子・低金利融資の特恵などについて非難し始め、さらに一部では「略奪(predatory)行為」とも規定している。こうしたなか、資源確保競争には米国や欧州はもちろん日本やインドまで加わり、今や資源確保は単純なエネルギー供給の次元ではなく国家間の安保戦略へと拡大している。
また東シベリア資源に対するロシア中央政府の統制が強化され、北東アジアのエネルギー協力の条件が変わるとみられる。特にロシアの資源ナショナリズムがますます深まるなか、昨年末にはロシアのガス公社であるガスプロムが、サハリンで石油とガスを生産中のシェル社をはじめ多国籍企業の持分を譲り受け経営権を握った。韓国は昨年10月にロシアと結んだガス協定を契機に、ロシアに対するより戦略的な接近が必要だといえる。
気候変動枠組条約では2005年に先進国へ義務的に温室効果ガス削減量を割り当てる京都議定書が発効した後、主要議題が「2012年以降の途上国の義務負担」へ転換し、昨年まではこれについて各国が探り合いを続けてきたが、今年からはこれに関する多国間交渉が本格的に推進される。
エネルギー戦争、戦略的接近が必要
韓国は途上国のなかで義務負担の優先対象国であるため、今年の関連会議では韓国に対する圧迫がさらに強まると予想される。
このように今年もエネルギー市場の外部環境には様々な脅威要因が潜伏している。しかし韓国経済はこれまでエネルギー効率の改善や海外資源開発の拡大など強度の高いエネルギー政策を通じて高油価を無難に克服してきた。特に昨年発足した国家エネルギー委員会を通じ、国際エネルギー情勢に対するより多様な対応戦略が推進されると期待される。






