韓米自由貿易協定(FTA)が締結されれば、米国が得る実益はどの程度なのか。結論から言えば、FTAが締結された場合、米国は農産物の対韓輸出が大きく増え、韓国に対する通商赤字を相当幅で縮小できる見通しだ。
米通商代表部(USTR)が昨年2月に韓米FTAを開始する際、米議会に報告した「米国際貿易委員会」の資料によると、両国が完全開放に合意した場合、FTA締結から4年が経過すると米国の対韓輸出規模は190億ドル増える。一方、対韓輸入額は100億ドル増えるにとどまり、韓国に対する経常赤字は90億ウォン近く減少すると予想される。
米国が韓国をFTAの相手国として選んだ理由の一つが「経常赤字の縮小」である点を考えれば、非常に満足できる成果を得られるという結論だ。特にコメを除く農産物と肉類の輸出額は100%急増し、104億ドル以上増える見通しだ。韓国農業が相対的に大きな打撃を受けるという分析である。一方、韓国産農畜産物に対する輸入の増加幅は輸出額の2%にも満たない2億ドルにとどまると予想された。しかし繊維・衣類分野では、米国の輸出拡大幅が2億ドルに満たないのに対し、輸入額は実に70億ドルに達すると推定される。
韓米FTAによる輸出増加は米国経済に大きな影響を与えない見通しだ。実際、USTRの「韓米FTA報告書」によると、米国の主要経済研究所は両国間のFTAが米国経済に及ぼす影響は国内総生産(GDP)の規模を0.1~0.3%高めるにとどまると予想した。同じ報告書で韓国のGDP増加幅を最大2%以上と見ているのとは対照的だ。
しかしこうした見通しは「可能なすべての」貿易障壁を撤廃したという前提の下で行われたものだ。「保護障壁」が多く残っていれば、それだけ米国が得る実益も小さいという意味である。交渉期限を1日も残さない段階で米政府と議会が総動員され、韓国に対する市場開放攻勢を展開したのもこのためだ。
実際、米政府と、ナンシー・ペロシ下院議長など米議会を掌握した民主党議員は29日(現地時間)、主要品目に関する韓米FTAの進展成果が不十分だと指摘し、「交渉には重要な路線修正が必要だ」と主張してより強硬な交渉路線を求めるなど、側面支援に乗り出した。
マイク・ジョハンズ米農務長官もこの日、「国際獣疫事務局(OIE)が米国に『牛海綿状脳症の危険統制国の地位』を付与するだろう」と指摘した後、「韓国がOIEに対する明確な回答を示せば、(米)上院でFTAの支持を得るのに役立つだろう」と述べ、遠回しに攻撃した。ジョハンズ長官はまた「私は『韓国に牛肉を売っているのか』という質問に『そうだ。韓国は非常に良い市場になり得る』と言えるようになることを望む」としながら「しかし合理的で予測可能な貿易環境が前提とならなければならない」と付け加えた。






