少し前にある金融会社の合併・買収(M&A)担当者に会ったところ、自身が経験した理不尽な出来事を語り、国内企業がグローバル化に至るには道のりがはるかに遠いと不満を漏らした。
事情を聞くと、ある中堅グループから新成長動力に関連する中小ベンチャー企業を探してほしいと依頼を受け、買収直前まで進んだが土壇場で交渉が決裂したという話だった。当該グループの実務者レベルでは価格や条件などがある程度調整され、売却が順調に進むかと思われたが、最終決定が先延ばしにされたために実を結べなかったと伝えた。
大企業の立場ではそれほど大きな規模ではないが、M&A契約が成功するにはオーナーの決断に左右されざるを得ない状況で、最後の瞬間にオーナーが買収の意思を示さず、実務者はそれ以上契約を進められず、結局M&Aは成立しなかったのである。
最近、世界の産業界では週末に交渉を終え、月曜日に妥結が公表される「マンデーM&A」がブームとなっている。ゼロックスやアボット・ラボラトリーズなどのグローバル企業は、ついに景気低迷が終わったとの認識を持ち、事業拡大戦略の一環として本格的な規模拡大に乗り出している。
国内でも外形上は大規模なM&A市場が開かれている。しかし国内大企業のM&Aに対する動きはやや慎重に見える。以前はM&Aを資産拡大の手段として活用し、中堅企業も大挙して参加したものだが、今は様相が変わった。最近Daewoo Engineering & Constructionの買収意向書の受け付けを締め切った結果、外資系投資家の参加が多いとされ、外国資本に売却される可能性が高いと見込まれている。ハイニックスと現代総合商事の売却にも、暁星と現代重工業だけが単独入札に応じただけである。
企業が慎重になっている理由は、一部企業がいわゆる「勝者の呪い」に苦しみ、買収後に困難を経験した前例を意識したことも大きいとみられる。
しかし、そのために多くの韓国企業が経済の大転換期に一様にM&Aを避け、保守的な経営に終始するなら、再跳躍のための好機を逃すのではないかと心配になる。売り物が魅力的で余力があるなら、一度は果敢に乗り出し、新たな成長動力を探すべき時である。
専門家らは、M&A市場が活気づくには何よりもオーナーの果敢な決断が必要だと口をそろえる。かつての1世代経営者のように果敢な開拓者精神を発揮し、世界の舞台を駆け巡る企業家精神が切実に求められる時である。






