黒3が打たれた時点で、この碁の運命は決まった。白の尾の部分8子が取られることになった。尾にしては、あまりにも巨大な尾だった。グ・リは黒15を先手で打ち、黒17で手数争いの急所から打った。ホン・ソンギ八段がサイバーオロに参考図1の黒1以下19をすでに掲載していた。大きなコウができるが、黒19が絶好のコウ材となり白は耐えられないという話だった。イ・セドルは尾の部分8子を渡してしまった。それと同時に勝負も終わった。イ・セドルは数手打ってみたあと投了した。あっけない逆転負けだった。
「本来は白が巨大な黒の大石を取れたのに、イ・セドルらしくなくためらいました。一直線にオールインしていれば、黒の大石は生きる道がなかったのです」(キム・ヨンファン)
中盤で参考図2の白1と打ち、黒が2以下8と応じたときに白9と取り込んでいれば、黒の大石は取られていただろう。実戦は白1をAに打ったため後味が悪くなり、かえって白が大きな損失を被ることになったのである。イ・セドルは、万一黒の大石を取り損ねても左辺を貫通すれば勝てると信じていたが、その考えが安易だった。
取りに行くときは無条件でオールインしなければならない。「万一取り損ねても」は頭の中から消さなければならない。聖書にもあるではないか。手に鋤を取って後ろを顧みる者は神の国にふさわしくない(ルカによる福音書9章62節)と。イ・セドルは二心を抱いて自滅した。
233手以下省略、黒の不計勝。






