2011年の韓国経済は、成長率が3%台半ばにとどまったことに示されるように景気鈍化が鮮明だった。特に雇用創出の難しさ、消費者物価の高い上昇とチョンセ価格の急騰、家計融資の増加は庶民の苦境を一層深めた。一方、先進国の景気鈍化のなかで世界9番目に貿易規模1兆ドルを達成したことや、米韓自由貿易協定(FTA)などを通じて経済領土を広げたことなどは意味ある成果だった。
欧州危機、金正日死去など変数が山積
新年の内外経済状況は昨年より一層厳しいと見込まれる。欧州の財政危機の影響は世界経済に相当期間及ぶだろうし、先進国に代わって世界経済の成長を牽引している中国・インドなど新興国の経済成長も鈍化する可能性があるためだ。実際、海外の主要機関も今年の世界経済をやや暗く見通している。国際通貨基金(IMF)は新年の世界経済成長率見通しを2011年6月の4.5%から9月に4.0%へ下方修正した。経済協力開発機構(OECD)は5月に新年の世界経済が4.6%成長すると見通していたのを、11月の見通しでは3.4%へ大幅に下方修正した。世界経済の困難が次第に具体化していることを示すものといえる。さらに、世界金融危機後に取られた各国の金融・財政政策手段は財源枯渇などでその機能が著しく弱まり、追加的な危機が発生した際に機能を発揮できるのか疑問だ。
ここに韓国経済は、金正日北朝鮮国防委員長の死去に伴う地政学的リスクまで抱えている。4月の総選挙と12月の大統領選という二大選挙も不安要因となり得る。景気が鈍化する状況で、有権者の多様な要求を政治が容易に無視できないためだ。
韓国経済は3.8%成長すると見通されているが、欧州の財政危機が拡大したり、北朝鮮の後継体制が安定しなかった場合、見通しはさらに下がる可能性がある。特に制御できない不確実性の持続および拡大の可能性は、経済にとって大きな脅威要因といわざるを得ない。
状況・段階別シナリオを精緻に
2012年に入っても欧州の財政危機、二大選挙、北朝鮮変数など不確実性が続いているだけに、何よりも急変する内外の経済状況に対する政策対応力を高めなければならない。周辺国との通貨スワップのような協調体制をさらに強化する一方、財政健全性の回復努力を通じて予想外の危機に備えるべきだ。また不確実性が拡大すれば投資・消費心理が萎縮し景気下降が速く進むだけに、景気に先制的に対応する弾力的な財政運営が肝要だ。政府が上半期に財政の60%程度を早期執行して景気を調節するとしたのは適切な政策判断といえる。
社会的葛藤の主要な発生要因である所得不平等が拡大しないよう、社会安全網の拡充にも政策的努力を傾けるべきだ。特に脆弱階層の所得基盤である雇用創出はもちろん、物価安定にも政策力を集中しなければならない。また輸出増加の鈍化などによる景気下降を相殺するための内需活性化にも重点を置くべきだ。大企業と中小企業が同伴成長できるよう、インセンティブ提供など実効性のある制度を整え、社会全体が共生発展する土台を築かなければならない。
あわせて、万一北朝鮮で急変事態が起きれば韓国経済は致命的な打撃を受けることになるため、最悪の場合まで想定した状況別・段階別の対応シナリオを精緻に用意しておかなければならない。
世界経済危機は市場に対する過度な自信から招かれたものだが、今は自信を回復することが急務だ。韓国経済が激しい風浪のような内外リスクを賢明に克服し、先進一流国家への大きな一歩を踏み出すためには、経済の不確実性や多くの課題に対する正しい診断と処方を基に、各経済主体が自信を持って対応力を高めることが何より重要である。






