中国政府が新疆ウイグル自治区で発生した暴力事態への強硬対応に乗り出す中、政治協商会議主席の兪正声・中央政治局常務委員と、中国の公安・司法・警察を総指揮する孟建柱・中央政法委書記など最高指導部をウルムチの現場に急派した。一方、米国は「透明な調査」を要求するとともに、先週にはゲーリー・ロック駐中国大使がチベットを訪問し、米中の外交葛藤が拡大している。
30日、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストや明報などによると、26日の新疆トルファン地区ルクチュン鎮での官公庁襲撃事件に続き、28日にはホータン県で刃物による騒乱事件が発生したことから、中国政府は直ちに「暴力テロ」と規定し、1万人を超える公安と人民武装警察部隊(CAPF)を投入した。
明報は、前日に新疆ウルムチ市内で数十台の装甲車と武装警察特攻隊の車両が市内への進入路を遮断して訓練を実施し、恐怖の雰囲気を醸成したと伝えた。現地住民らは、2009年7月5日の漢族とウイグル族の衝突で200人余りが死亡した流血事態以来の兵力がウルムチに進入したとし、武装警察がウイグル人を不法に逮捕・拘禁していると伝えた。
中国共産党と中央政府も素早く対応している。習近平・中国国家主席は28日、中央政治局常務委員会の会議を開き、迅速かつ具体的な措置を指示して兪常務委員と孟書記を急派した。特に孟書記は前日ウルムチで開かれた反テロ決議大会で「暴力行為には断固として対応し、民族間の平和安定を図る」と述べ、武装警察らに対し「民族団結のために犠牲を恐れず前に出なければならない」と強調した。
中国政府がこのように強硬に出たのは、毎年7月1日の香港返還記念日に行われる香港の民主化デモが翌日に迫っているうえ、民族独立勢力と連携することを警戒するためだと解釈される。
中国政府の強硬対応の中、米国は「透明な調査」を求め、中国の神経を刺激している。中国は米国が人権問題に介入して声を高めるたびに「靴が合うかどうかは持ち主だけが知っている」と述べ、敏感に反応してきた。今回も、パトリック・ベントレル米国務省副報道官がウイグル族差別に関する継続的な報告が出ていると伝えると、華春瑩・中国外交部報道官は「事件の真相もきちんと理解しないまま、いい加減に論評した」と反論した。ところが今回は、これまで言葉で攻勢をかけてきた米国が行動に出たことが注目される。
中国の鳳凰網によると、ロック米国大使は26日、今回の事態の発生地近くの少数民族地域であるチベットを「人権監視」の次元で訪問し、中国当局に領事館の領事など外国人の自由な接近を認めるよう促したと伝えた。ロック大使のチベット訪問が新疆の事態と直接関連があるかは確認されていないが、米国が今回の事態に深い関心を示している点は尋常でないとみられる。
一方、中国公安当局に捕まった容疑者の調査ではまだ具体的な経緯が正確に明らかになっていないが、ウイグル独立運動勢力が中国政府の対応に不満を抱き、7・4流血事態4周年を前に組織的に今回の事件を起こしたのではないかとの観測も出ている。






