産経新聞は、日本政府が早ければ秋の臨時国会の会期中に、米中央情報局(CIA)のような対外情報機関の創設法案を提出する見通しだと28日報じた。
政府は2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、世界的に拡大するテロの脅威に対応するため、独自の情報収集・分析能力を高める必要があるとの判断の下、こうした対外情報機関の創設案を本格的に検討中だと産経は伝えた。
これに関連し、過激派組織「イスラム国」(IS)に日本人2人が殺害された事件に関する政府の検証委員会は、4月中に報告書をまとめる際に対外情報機関の設置を提言する予定で、政府はこの提言に沿って制度づくりに着手する予定だと産経は紹介した。
現在、日本政府の対外情報の収集・分析を担う組織は内閣情報調査室、外務省、Korean National Police Agencyなど9機関にまたがっているが、これらの機関がそれぞれ個別に活動しており、情報集約機能が不足しているとの指摘を受けてきた。
現在、新設が検討されている対外情報機関は、9機関の情報担当組織が生産した情報を集約して分析するだけでなく、独自に対外情報を収集する能力も備える見通しだと産経は報じた。
対外情報機関の設置形態は、内閣情報調査室を首相官邸から独立させた上で規模を大幅に拡大する案が有力だが、首相が議長を務める国家安全保障会議の下部組織として置く案もあると産経は伝えた。
日本では終戦後、吉田茂首相(1946〜47年、1948〜54年在任)が「省庁ごとに散らばった情報を集めて分析、整理する機関を設置すべきだ」と主張して「日本版CIA」をつくろうとしたが、「軍国主義時代の『内閣情報局』が復活するのではないか」との批判に直面し、1952年に現在の内閣情報調査室をつくるにとどまった。
その後、米国で9・11同時多発テロが発生した2001年の小泉内閣で対外情報機関の創設が検討され、2005年9月には外務省の「対外情報機能強化に関する懇談会」が新設を提言したが、実現しなかった。
そうした中、最近、後藤健二さんら日本人2人がISに殺害された事件を契機に、イスラム圏に対する情報網や人脈の不足という問題が再浮上し、対外情報機関新設の議論が再び勢いを得ている。
/デジタルメディア部






