2015-08-31

[社説]「企業に対抗するのが政治ではない」というフランス左派の反省

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フランスの与党社会党の内部から、中核的な理念である企業政策を全面的に再検討すべきだという痛烈な自己批判が提起された。エマニュエル・マクロン仏経済相は最近、経済人らと会い「これまで企業に立ち向かってこそ真の左派であり、企業がなくても政治ができると考えてきたが、それは誤りだった」と告白した。同氏はまた、国民が少なく働いてもより豊かに暮らせると判断したのが誤りだったとし、政権を担う左派の変化と覚醒を促した。

マクロン経済相の反省は、左派の経済政策の現実的な弊害が深刻な水準にあるという問題意識から出たという点で響きが大きい。社会党政府は政権発足以降、法人税率を引き上げ、高所得者への重課税を導入するなど反市場的な政策を相次いで導入し、経済を壊しているとの批判を受けている。左派の象徴である「週35時間勤務制」が代表的な例だ。賃金は削らずに労働時間だけが減ると、自動化設備を導入したり工場を海外に移す企業が続出した。労働者のための政策がかえって雇用をなくし成長を阻む逆説的な状況が生じた形だ。マクロン経済相が労働時間を労使の自律に委ねると述べると、賛成の世論が75%まで急上昇したという。フランス国民は政治家と違い、反企業政策が経済問題の正しい解法ではないという事実を痛感しているという話だ。

グローバル競争時代を迎え、古い理念や正統性にしがみついて国民を生活苦に陥れる政治は背を向けられるものだ。フランスの左派は、経済を生かすのは政府ではなく企業であるという現実に遅れて気づいた形である。それにもかかわらず、わが政界は大企業を叱り、脅しつけてこそ一人前になれるという陣営論理にとらわれているのだから残念なことだ。野党は大企業を手ごろな攻撃対象とし、選挙が近づくたびに法人税引き上げ、支配構造改編を定番メニューとして打ち出している。大企業が消えれば野党の存立基盤まで脅かされるという言葉まで出る有り様だ。左派の本流である欧州社会党までもが変わっているのに、いまだに大企業に対する反感と偏見を強制的に植え付けるわが現実が残念でならない。

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