裁判所が起亜自動車の通常賃金訴訟で信義誠実の原則を適用しない核心的な理由として、「起亜自動車の労使が自律的かつ調和のある関係を維持してきた」点を挙げた。
しかし、これまでの労使関係を考えれば、裁判所が労使関係をあまりに安易にみたという批判が出ている。
31日、業界によると、起亜自動車の労働組合は1991年から今年まで、2010年と2011年のわずか2回を除いて毎年ストに入った。累積の生産支障は計82万台、売上損失は11兆ウォンを超える。会社の経営状況は労組の考慮対象にはならなかった。
暴力事態もあった。2007年、労組は要求事項が受け入れられないとして華城工場長室を破損し、700万ウォン余りの財産被害が発生した。2009年には「オピルス」の生産計画に不満を抱き、鉄パイプやハンマーなどで工場長室を破損したこともある。当時の財産被害は3000万ウォン余りに達した。裁判所が「相互信頼を基礎に労使合意を成し、自律的かつ調和のある関係を維持してきた」とみたのとはやや異なる姿だ。
起亜自動車は高高度ミサイル防衛システム(THAAD)配備の影響で、今年に入って7月までのグローバル販売台数が154万台にとどまり、前年比9%急減した。事実上、借入経営を行うほど経営難に直面している。しかし労組は今年も部分ストで生産支障を招いた。その結果、生産支障台数は3500台に達し、これにより740億ウォンの被害を受けた。裁判所は判決文で「労働者が会社の重大な経営上の困難を傍観することはないだろう」としたが、これは現実と乖離した話だという指摘に力が入る理由だ。
業界では、裁判所が考えるような労使関係であれば、通常賃金訴訟自体が進められなかったはずだという批判が出ている。ある業界関係者は「起亜自動車は通常賃金訴訟の結果として第3四半期に1兆ウォンの引当金を設定することになれば、10年ぶりに赤字転落するとみられる」とし、「起亜自動車の労組が対話に乗り出して会社側と議論していれば、今回のような結果は出なかっただろう」と述べた。






