京畿道一山に住む李某氏(42)は最近、自身が居住したこともないソウル永登浦区の選挙候補者からのショートメッセージを何通も受け取った。さらには5年前に住んでいた蔚山市のある選挙区の候補者からもショートメッセージを受け取った。李氏は「個人情報侵害センターに何度も届け出たが、結局同じショートメッセージをまた受け取らなければならなかった」と不満を訴えた。
6月13日の地方選挙を前に有権者が無作為の「メッセージ爆弾」を受けているが、選挙陣営による無断の個人情報収集は事実上規制を受けていないことが分かった。
30日、韓国インターネット振興院によると、先月に個人情報侵害申告センターに受け付けられた選挙関連のスパム申告は7万3000件に達する。選挙運動期間でない1月(291件)に比べ254倍に増えた数値だ。個人情報保護法違反として受け付けられた申告・相談も4000件を超えた。現行の個人情報保護法は、有権者本人の同意なく個人情報を収集した者に3000万ウォン以下の過料を課すことができる。
しかし実際に個人情報を無断収集した陣営に過料を課したり警察に告発した事例は、今年は1件もない。無断収集の事実を証明しにくいうえ、違反の量刑が重いため厳格に適用するのが容易でないからだ。韓国インターネット振興院の関係者は「情報収集の出所を尋ねたのに相手が答えられなかったという証拠があれば処罰可能だ」としつつ、「電話対応者が誤って送る場合もあり、刑事立件より啓導で終えることが多い」と述べた。過料賦課の主体である行政安全部の関係者も「現行の個人情報保護法は未登録業者が送るスパムメッセージなどの違法行為に焦点が合わせられており、選挙時期に適用するのは難しい」とし、「是正命令を活用して互いに慎む雰囲気をつくっている」と明らかにした。
処罰が難しいのは選挙管理委員会も同じだ。公職選挙法に限って告発権を持つ選管は、情報主体が明示的に拒否の意思を示したのに再びショートメッセージが来る場合(公職選挙法第82条の5)にのみ問題にできる。それすら今年、捜査当局に告発した事例は1件もない。1年以下の懲役または100万ウォン以下の罰金刑が過重だと判断し、事実上勧告で終えているのだ。選管の関係者は「大部分は有権者に直接意思表示をするよう案内し、ひどい場合は別途警察に告訴状を出すよう案内することが多い」と伝えた。こうした抜け穴を把握した候補者陣営は、ショートメッセージの受信者が証拠を確保するため電話をかけるとわざと電話に出なかったり、初めから未登録番号でショートメッセージをばらまくなど「裏技」を使っている。
専門家は、国民が感じる疲労感を考慮してでも監督機関の積極的な介入が必要だと指摘した。李仁坤(イ・インゴン)世明大法学科教授は「受信者の拒否意思を無視して何度も不快なショートメッセージを送る陣営は、模範的に処罰する必要がある」とし、「事例の深刻さに応じて一部陣営はマスコミなど民間機関が名簿を公開するのも一つの方法だ」と提案した。






