寒くなると、屋外運動に代えて運動する室内空間を探す人が増えるものだ。寒い天候では筋肉と腱が硬直して負傷しやすいため、屋外運動より室内運動の方がよい。また血管が収縮し、脳血管疾患(脳卒中)や心血管疾患(心筋梗塞・狭心症)による死亡率が高まるため、高血圧や糖尿病、高脂血症、狭心症を患っている場合は室内運動が最善である。
室内運動をする際は、自分の健康状態に合わせて有酸素運動と筋力運動を適切に選ぶことが重要である。
高血圧患者には軽い有酸素運動がよい。通常、健康な成人は最大運動能力の60~80%の強度で運動するのが効果的とされる。しかし高血圧患者は40~70%の強度で運動すべきだ。トレッドミルに上がってゆっくりした速度で歩くか、脚に負担を与えない強度のサイクルを推奨する。高血圧薬を服用しているならさらに注意が必要だ。運動をすると一時的に血圧が下がるが、血圧を下げる薬と結合作用を起こして血圧が急激に低下する恐れがあるためだ。運動前に十分なストレッチを行い、強度の高い運動中に急に運動を終えるのではなく、徐々に強度を下げるべきである。
糖尿病患者には有酸素運動を推奨する。運動前の血糖値が250mg/dL以上なら運動を見送り、100mg/dL以下なら炭水化物を摂取してある程度血糖水準を維持した状態で運動を始めるのがよい。細胞の糖をエネルギー源として使う過程に問題が生じ、血糖が急激に下がる恐れがあるためだ。通常、食後30分ほど経つと血糖が最も高くなるため、この時に運動を始めれば運動中に血糖が急激に下がるのを防げる。運動強度は一般の人と差をつける必要はないが、運動時間は60分を超えない方がよい。血糖維持のために毎日着実に運動することが最も重要である。
心臓疾患を患う人も、ウオーキング・ジョギング・登山などの有酸素運動を中心に行う。特にダンベル上げ・腕立て伏せなど短時間に最大限の力を使う運動は避けるべきだ。こうした運動は心臓機能に大きな負担を与え、症状を悪化させる恐れがある。運動前には十分な準備運動で心臓に急に無理がかかる状況を予防し、運動中でも胸に痛みが生じたり脈拍が普段より速く打てば運動を止めるべきだ。運動は1回20~40分程度が適当である。
重度の肥満の人は有酸素運動と筋力運動をまんべんなく行うのがよい。エアロビクスやダンスのように動きが大きすぎる運動は避けた方がよい。体重によって関節・筋肉などに無理がかかりうるからだ。固定式自転車や座って行う運動は推奨できる。全身の筋肉をまんべんなく使う筋力運動を通じて基礎代謝量を高めることも重要である。
骨粗しょう症と関節炎の患者にはウオーキングがよい。関節炎を患っているからといって運動量を減らすと筋肉量まで減ってしまうため、着実に運動することが重要である。ランニングは避けるべきだ。走る際に膝に体重がかかり、関節炎を悪化させる恐れがあるためだ。






