「ジェントリフィケーション(gentrification)」という言葉は本来、都心のスラムを再開発して最高級住宅街を作ることを意味する。辞書的に名詞「gentry」は「上流階級」を指し、動詞「gentrify」は「高級化する」または「高級住宅街にする」という意味だ。
最近は、ジェントリフィケーションという言葉が「衰退した旧都心が再び繁栄して賃料が上がり、商人が追い出される現象」としてより多く使われている。ジェントリフィケーションという言葉が韓国社会で広範に使われるようになったのは、「商圏からの追い出され」現象をこの用語で表現するようになってからだ。
最近、ソウルの経理団通りが没落したというニュースが相次いでいる。しかしこれは、賃料上昇で既存の事業者が追い出され、新しい事業者が入ってくるジェントリフィケーションとはまた異なる現象だ。既存の事業者は諦めて去るが、その場所を埋める商人はいない。韓国鑑定院の資料によると、昨年10~12月期に経理団通りを含む梨泰院商圏の中大型店舗の空室率は21.6%で、ソウルで最も高い。
もともと経理団通りは、他の街の人々がわざわざ訪ねてくるような場所ではなかった。衰退したこの場所を全国的なホットプレースにしたのは、若い自営業者の「ソフトパワー」だった。実力と情熱を持つ若い事業者が、賃料の高い既存商圏を避けて経理団通りに入り、小さくても特色ある店舗を開いて街を名所にした。「望理団通り」のように、その後新たに台頭した商圏は「○理団通り」と呼ばれるほど、衰退地域復興の代表的な成功事例に挙げられた。
そうした経理団通りが崩れたのは、単に賃料上昇だけが原因ではないだろう。自営業者が限界を突破できない社会構造と長引く不景気が複合的に作用した結果と解釈するのが正しい。
韓国は欧米に比べ自営業の比重が高く、似たような事業所同士が過当競争をする構造だ。不振な自営業者には退路を開き、若い感覚の新しい事業者には参入路を広げてやることだけが、この問題を解く解法だ。経理団通りはこうした好循環の世代交代の可能性を見せた模範事例だったが、頂点だった2015年から4年で崩れたというのだから、苦々しいばかりだ。
経理団通りを去った若い創業者は今どこで何をしているのだろうか。これに先立ってカロスキルから退出した若者たちはどこにいるのか。若年自営業者の創業と再挑戦を助けることが、若年層の雇用問題と自営業問題を同時に解決する鍵になり得ることを、あらためて強調する。 /next






