ある政府関係者は、昨年から施行されてきた宗教人課税について「税法でもない」と語る。所得区分の合理性も、論理的一貫性もないという話だ。彼は「数十年間税法を扱ってきた者として恥ずかしい」とまで述べた。問題は何か。
◇所得申告、二つのうち一つを選択可能=まず宗教人は宗教人所得(その他所得)と勤労所得のうち一つを選んで申告・納付することができる。どの所得も納税者がこのように選択して申告し納付するようにしている例はない。宗教界は「宗教人の給与は聖職の対価であり、勤労の対価ではない」と主張している。そのため、その他所得の一項目として「宗教人所得」という新たな税目を作った。その他所得とは宝くじ当せん金・懸賞金・原稿料など一定しない、またはどの所得区分にも属さない「たまたま生じた所得」を指す。そのため一部の聖職者はその他所得の一部である宗教人所得の申告を拒否する。「私の『聖職の対価、勤労の対価』がなぜ『たまたま生じた所得』とみなされるのか」という反発だ。慶尚南道梁山中央教会の鄭志勲(チョン・ジフン)主任牧師は「牧師も勤労の対価として給与を受けている」とし「勤労所得として申告するのが正しい」と語った。カトリックは司祭の所得について1993年の司教会議の決議を経て、1994年から勤労所得として申告・納付してきている。1960年代から所得税を納めてきた永楽教会をはじめ、これまで自主的に納税してきたプロテスタントの大型教会も、宗教人課税制度の導入前は勤労所得として申告・納付していた。宗教人所得として申告すれば経費として認められる部分が20~80%で、勤労所得の2~70%より高いため、税金はずっと少なくなる。
◇非課税の宗教活動費、宗教団体が自ら決定=今回の宗教人課税制度では、また非課税である宗教活動費を宗教団体が自ら定めることができる。宗教団体が定款を作成し、または議決機関の議決を経て宗教活動費規定を作れば、支給基準の範囲内であらゆる宗教活動費が非課税となる。細目を申告する必要もない。ただし総額は支給明細書に記載しなければならない。
税務申告の方式も優遇だ。毎月源泉徴収をすることもでき、年2回半期別に行うこともできる。源泉徴収をせず、毎年5月の総合所得税申告で一度に精算することもできる。勤労所得者は毎月の源泉徴収が強制される。
その他所得(宗教人所得)として申告しながらも勤労奨励金を受け取れるようにした点も問題だ。勤労奨励金は「勤労」する人々にもっと熱心に「勤労」せよという意味で与えられる。しかし宗教人の大多数は自ら「勤労所得」を拒否し、宗教人所得(その他所得)を選択した。したがって宗教人所得として申告した宗教人は勤労奨励金の申請資格がない。これが論理的だ。実際、当初は宗教人所得として申告する場合、勤労奨励金の申請資格がなかった。しかし宗教界の強い要請により、その他所得のうち宗教人所得として申告する場合に限って勤労奨励金の申請資格を開いた。所得の性格や税法の論理的一貫性とは関係なく、良いものはすべて取り込もうという計算だ。
◇活動費を法人カードで使えば申告しなくてよい=宗教人課税制度が実施されたが、宗教団体に対する政府の税務調査権限は宗教人所得の部分に限られる。口座振替であれ現金支給であれ、いかなる形であれ金銭が個人に渡った部分のみを見る。宗教団体の財政に関する部分は政府が手をつけないと約束した。宗教団体の法人カードも「宗教団体の財政」の一部である。金銭が個人に流れず、団体から団体へ直接出ていくからだ。したがって巨額の活動費を使う大型教会の主任牧師や大型寺院の住職が法人カードで活動費を使う場合、これら宗教団体が政府に申告する義務も、政府がこの部分をのぞき見る権限もない。
宗教人所得は韓国国税庁が見ることができるとしても、直ちに税務調査を行う権限はない。脱税の疑いがあっても、まず宗教団体の自己点検と是正を求めなければならない。
まさにこうした点のため、企画財政部関係者は「結論的に政治的妥協の産物だ」と語った。






