朝夕にかなりの涼しさを感じるようになったら、インフルエンザ予防接種で健康な冬越しを準備するのがよい。風邪とインフルエンザはいずれも呼吸器ウイルスによる感染症である。しかし原因ウイルス、症状、経過と合併症などが全く異なる別個の疾患である。
風邪は非常に多様なウイルスによって発生する。症状が軽く、危険な合併症まで引き起こされることはない。1週間以内に特別な治療なしに回復する。
インフルエンザは風邪に比べ慎重に治療すべき疾患である。インフルエンザウイルスが引き起こす呼吸器感染症で、通常は重い全身症状をもたらし、高リスク群では肺炎のような合併症のために死亡に至ることもある。
風邪には特別な予防接種や治療法がないが、インフルエンザにはある。今も多くの人が2009年に世界を襲った「新型インフルエンザ」の恐怖を記憶している。数あるインフルエンザウイルスのうち一種類にすぎないが、世界的大流行(パンデミック)となったことで、インフルエンザへの理解と関心を高める契機となった。
インフルエンザウイルスは空気または人同士の接触を通じて伝染し、伝染力が非常に強い。予防法の第1順位は人が多く集まる場所を避けることである。外出後は必ず手・顔・足などを清潔に洗い、口の中を頻繁に水でうがいする。適切な換気、十分な水分・栄養摂取と休息も予防に役立つ。
最も積極的で効果を得られる予防法はインフルエンザ予防接種である。予防効果は70%程度だ。インフルエンザにかかっても大部分は軽い症状のみで回復する。
インフルエンザは通常10月から流行し始めるため、予防接種の適期は9月ごろである。接種後4週間ほど経って初めてインフルエンザに対する十分な免疫力ができ、接種効果は1年ほど続く。高齢者、慢性心肺疾患者、免疫機能低下者、妊産婦などはインフルエンザの高リスク群に属するため、必ず予防接種を受けることを勧める。
肺炎球菌ワクチンの予防接種も受けるのがよい。慢性の肺・心臓・肝疾患、腎不全、糖尿病、先天的に脾臓がない人や免疫低下者、免疫抑制剤の投与を受けている人は、インフルエンザを患った後に細菌性肺炎の症状が重くなり生命が危うくなる場合がある。肺炎関連の予防接種を受けた経験がなければ、インフルエンザ予防接種の際に専門医と相談する必要がある。/ヨム・ジュンソプ 延世大セブランス病院感染内科教授






