ソウル中央地検の捜査チームが29日に押収捜索した韓東勲(ハン・ドンフン、司法研修院27期)法務研修院研究委員(検事長)の携帯電話のSIM(USIM)を空の端末に入れて接続した後、韓検事長のメッセンジャーのパスワードを変更する方法でカカオトークに接続していた状況が31日明らかになった。
法曹界では、このように被押収者の同意なくメッセンジャーに接続したことは違法な証拠収集方法であり、個人情報自己決定権の侵害、偽計による業務妨害などに該当しうるとの指摘が出ている。
検察は29日午前、京畿道龍仁市器興区に所在する法務研修院の事務室で、韓検事長の執務室の押収捜索を行った。この過程で鄭進雄(チョン・ジンウン)ソウル中央地検刑事1部長検事が韓検事長に強制的な物理力を行使する前例のない事件も発生した。
捜査チームはこうした方法で1時30分ごろ現場で確保したSIMを約2時間30分にわたり分析した後、当日午後4時ごろ法務研修院に引き渡した。これについて検察の内外からは通常ではない行動だとの声が出た。通常、SIMチップを押収捜索してフォレンジックを行う場合は1~2週間ほどかかるが、3時間もかからなかったというのは、SIMに事実上有意味なデータがほとんどないという意味だというものだ。
それでも捜査チームがSIMを確保しようとしたのは、これを通じて韓検事長のテレグラム使用履歴を確認しようという意図だったとの推測も出た。しかし韓検事長がテレグラムを使用していないという事実に遅れて気づき、これに伴い捜査チームが急いでカカオトークのメッセージ確保を試みたとの分析だ。
カカオトークはテレグラムと異なりSIMだけではPC版への接続が難しく、既存のパスワードが分からない場合はSIMを空の端末に差し込み、新たに本人認証手続きを経なければならない。このように発給を受けた新しいパスワードでカカオトークにログインすると、既存の携帯電話ではログアウトされる。韓検事長は押収捜索の翌日に当該SIMを返却してもらい、再び携帯電話の端末に差してから初めて、自身のカカオトークのパスワードが変更された事実に気づいたと伝えられた。
しかし捜査チームの証拠収集方法は韓検事長を装ってカカオトークをだましたことになるため、偽計による業務妨害に該当するとの指摘が出ている。法曹界のある関係者は「SIMを空の端末に差して認証番号を受け取るのは違法な傍受だ」とし、「偽計によって個人情報を取得したものであり、通信秘密保護法違反の余地もある」と説明した。
一方、ソウル高検は30日、韓検事長が陳情人の身分で出席し、鄭部長検事との間で起きた「瀆職暴行」事件について説明したと伝えた。ソウル高検は「韓検事長が29日にソウル高検に受け付けた『告訴状および監察要請書』の事案に関連し、事実確認の一環として前日に韓東勲検事長を召喚調査した」と明らかにした。/趙叡里(チョ・イェリ)記者 sharp@sedaily.com






