企業側は、年金基金や調達事業などに環境・社会・支配構造(ESG)経営評価を適用する「ESG4法」が自由な企業活動を阻む二重規制になるとの懸念を示している。現在、国際的なESG開示・評価基準がなく、その整備には数年を要するうえ、正確な基準のないままESG評価を適用すれば、企業活動が恣意的な評価に左右されざるを得ないためである。
30日、国会と経済界によると、李洛淵(イ・ナギョン)前「共に民主党」代表が発議した「ESG4法(国民年金法・国家財政法・調達事業法・公共機関運営法)」は経済界などの反対により国会で審議が止まっている。国民年金法改正案は、国民年金基金の運用目的を「財政の長期的な安定」と「長期的かつ安定的な収益増大」から「制度(基金)の持続可能性の確保」に変更する内容を柱とする。しかし海外の主要な公的年金基金のうち、このような運用目的を法律で義務化した例はない。世界5大年金基金(オランダABP、カナダCPP、ノルウェーGPFG、日本GPIF)などはいずれも「年金受給者の利益および収益増大」を基金運用の目的としている。公的年金基金の存在目的である年金受給者の収益性を考慮していないとの指摘である。
また、国内企業に絶大な影響力を及ぼす国民年金の特性上、ESG要素を評価に反映すれば政治的な思惑に左右されかねないとの懸念も出ている。年金基金に関する一般法の役割を果たす国家財政法にESG考慮を義務化する規定についても、慎重に検討すべきだとの主張が提起されている。現在、国家財政法に拘束される基金は計67本、1186兆ウォン規模であり、銀行預金、株式および債券は647兆ウォンに達する。国家財政法の改正はこれら全ての基金運用にESGの考慮を義務付けるもので、無理のある法改正だとの説明である。
国会に発議されたESG法案の80.3%は規制・処罰条項を含んでいることが分かった。全国経済人連合会が第21代国会に発議されたESG法案97件を244の条項に分けて分析した結果、規制の新設・強化が130件(53.3%)、処罰の新設・強化が66件(27.0%)で、計196の条項が企業規制・処罰の新設または強化を内容とするものだった。
こうした事情から、国内中小企業10社のうち9社はESG経営導入の環境が整っておらず対応が難しいと感じていることが調査で分かった。この日、中小企業中央会が300社の中小企業を対象に実施した「中小企業ESG課題調査」の結果、ESG経営導入の環境が整っておらず難しいと答えた企業は89.4%に達した。






