「崖の先を歩くように、ぎりぎりのところで生きてきた。人権弁護士の道を選んで以降、市長や道知事をしながら険しい道ばかりを選んできた」
李在明・共に民主党大統領候補は28日、故郷の安東を訪れ、「私のように必ず難しい道ばかりを選んで歩く人間がいる」と述べ、こう語った。同氏は司法研修院で盧武鉉前大統領の講義を聞いて人権弁護士の道を決意したとし、「おそらく楽な道を選んでいたら、この場まで来られなかっただろう」と声を上げた。さらに幼少期の思い出を回想しながら、支持者と気軽に対話するように演説を続けた。通常の現場遊説で「政治改革」「統合政府」を強調したり、地域公約を紹介するのとは異なる姿だった。安東が李候補の生まれ育った地であることに焦点を当て、感性的に有権者に訴える戦略とみられる。安東遊説を終えた李候補は、前日に尹錫悦・国民の力大統領候補が遊説を取りやめた栄州も訪れた。
李候補はこの日、安東の雄府公園に集まった数百人の支持者の前で現場演説を行った。李候補は「少し前に妻の実家に行ったのだが、あまりに心が安らいだので、深々と礼をして挨拶をした。今日は安東の学校の先輩・後輩・同僚に会ったので、もう一度礼をしなければならない」と述べ、舞台の前に歩み出て深く頭を下げた。李候補は24日、夫人の金恵敬氏の故郷である忠清北道忠州市山尺面を訪れ、地域住民に礼をしていた。
李候補は通常、「有能な大統領」「経済大統領」「政治改革」などを中心に演説していたのとは異なり、幼少期の逸話を紹介することに演説の大半を割いた。麦ぬかの餅を食べながら貧しく暮らした安東での幼少期や、城南に引っ越した後に少年工として苦労して働いた経験を語った。李候補の演説を聞くために集まった支持者は、演説の合間に李候補の名前を連呼して応援した。李候補は母について言及する場面では、こみ上げる様子も見せた。安東地域が嶺南の中でも特に保守の支持が強い点を考慮し、「民主党の大統領候補」であることを強調するよりも、「苦労して成功した安東の人間」であることを刻み込むことに重点を置いたわけだ。
安東遊説を終えた李候補は、ソウルへ戻る途中に栄州市を訪れた。前日、尹候補が大邱・慶北遊説で栄州を訪問すると告知しておきながら、遊説開始直前に取りやめたことを意識した動きだ。尹候補の「ノーショー」に対し、地域住民は「我々を無視しているのではないか」との反応を示したと伝えられている。尹候補が来ず、空いたままの栄州遊説現場の壇上が話題にもなった。そこで大邱・慶北巡回を終えてソウルに戻る途中、栄州をサプライズ訪問し、失望した栄州の民心をつかむという狙いだ。遊説場所も尹候補の遊説予定地だった慶北栄州市の太極堂前に定め、対比効果を最大化した。
李候補は「昨日釜山から始まり、今日安東までずっと上がってきた。明日ソウルで3・1節の行事があるので戻らなければならないが、栄州が抜けていた」と口を開いた。同氏は「行く道筋から栄州が抜けていたので、また来る機会があるかと聞いたところ、(実務陣が)難しいだろうと答えた」とし、「それで無理をしてでも必ず寄ろうと言った」と説明した。さらに「栄州は私の父の墓がある場所だ」と縁故を強調した。続いて既に発表した農漁村公約と高齢者公約を紹介し、地域住民に支持を訴えた。






