今回の学生設計コンペの受賞作は、未来の交通がもたらし得る現象についてさらに深く考え、創意ある意見を展開した。エアタクシーなどの都心航空交通(UAM)やハイパーループといった未来の交通が、実際に我々の生活をどう変え得るのかという問いへの答えは明快ではない。概念的な設定が必要であり、社会全般に対する広義の解釈や人文学的な要因も併せて考えねばならない。馬車が主流の社会と自動車が主流の社会の違いは、単に楽に速く目的地へ運んでくれるという定量的解釈だけでは説明できないからだ。
新たな交通手段を通じて我々が得るものと失うものは何か、社会的関係性はどう変化するのかといった概念的アプローチがなければ、単に興味深いもう一つの建築物の提案にとどまる。そうした意味で、大賞をはじめとする受賞作はかなり説得力のある未来の物語を展開した。とりわけ大賞受賞作が内包する、未来の交通手段による道路体系の変化がもたらし得る都市構造の再構築に関する考察は、現実的でありながら力強いメッセージを与える。交通ハブとしての役割を脱ぎ捨てた高速ターミナルが開発によって消えた森を抱き、地下貯留施設を備えて都市洪水問題の解決役に乗り出すなど、旧時代のモビリティが生み出した都市の環境問題に正面から対応する点で高い評価を受けた。
最優秀賞受賞作のうち「INDEX:ITY」は、未来の搭乗客は自らの目的と志向に合わせてパーソナルモビリティ、自律走行の公共交通など多様な交通手段の一つを選ぶことになり、それに伴い現在のターミナルの姿も変わらねばならないことを提示して目を引く。「INCEPTION、新たに定義される地層(GL)」の「UAMが活性化すればグラウンドレベル(GL)はもはや1階ではなく高層階に位置するだろう」という主張は興味深く感じられる。「Urban Mobility Core」のハイパーループが新しい概念の都市間移動と活動を生み出すというシナリオは非常に説得力がある。
今回のコンペを通じて、未来の建築家である受賞者たちが不確実性の時代を生きながら未来を予測するために、どのような思考と態度を取るべきかについて考えてみてほしい。参加者と受賞者の全員に祝福と激励、そして応援を送りたい。






