「顧客が席にいないのに融資が実行される、あるいは顧客の署名を受けるべきタブレットPCが職員の方を向いている映像を人工知能(AI)CCTVが学習すれば、不当融資をより容易に摘発できます」
パク・ヒョンチュルPwCコンサルティングパートナーは30日、ソウル中区ザ・プラザホテルで開かれた「第27回ソウル経済金融戦略フォーラム」で、「レグテックとAIを活用した金融会社の内部統制能力強化」をテーマとした講演でこう述べた。同氏は映像情報を深層学習(ディープラーニング)したCCTVを監査職員の新たな目に例え、大型金融事故を予防するために金融会社がAI技術を積極的に受け入れるべきだと助言した。新技術を悪用した金融犯罪は次第に高度化しているが、金融会社が現在のように古いマニュアルに沿って対応すれば監視網が緩まざるを得ないからだ。パクパートナーは「金融犯罪は知能化しているが、金融会社の内部統制方式は大きな変化なく手作業中心で行われている」とし、「このままでは金融犯罪を防ぐことがはるかに難しくなるだろう」と警告した。
パクパートナーは金融会社がAIでどのように内部統制能力を引き上げられるかに関して具体的なモデルを提示し、講演を続けた。同氏は不当融資の兆候を事前に精緻に摘発できる「多次元スコアリング制度」から実装すべきだと提言した。これはこれまでの金融事故事例をデータベース(DB)化し、それをAIに学習させて異常兆候を早期に識別するシステムだ。大きく△取引顧客△口座情報△取引記録△処理職員などに類型を区分した後、個別の詐欺事例を代入する方式で実装する。項目別の危険指数を検討し、総合点数が基準値を超えれば現在進行中の融資を中止して事故を事前に遮断する。パクパートナーは「機械学習を通じてデータを投入すればAIが独自の絵を描けるようになる」とし、「これにより過去の事例とまったく同じではなくても類似したパターンをとらえることができる」と説明した。
現在、金融会社は△1億ウォンを超える国外送金取引が頻繁な場合△融資口座残高を1億ウォン以上解約した場合など、やや単純な基準で異常取引を識別しているが、スコアリング制度を活用すればより精緻な分類が可能になる。パクパートナーは「入力された値に応じた定型的な回答方式(ルールベース)よりはるかに進化した方式」とし、「従来まったく把握できなかった金融事故を摘発する事例も増えるだろう」と語った。
パクパートナーは、eメールを通じて内部資料が流出することも「データマイニング」で根本から遮断できると明らかにした。テキストマイニングはAIを活用して大容量資料から核心となる単語を抽出する技術だ。最近は添付ファイルと無関係なeメール件名を付ける形で監視網を回避する事例が頻発しているが、AIに要注意キーワードを事前に入力しておけば添付ファイルが機密資料かどうかを区分できるという。パクパートナーは「半導体企業は産業機密が流出することを防ぐためにAIを多く活用している」とし、「eメールの件名と添付ファイルの内容が異なれば、eメール送信自体を防ぐよう設計しておくことができる」と伝えた。
役職員の印章を盗用して行う単純な操作は、窓口職員が融資書類を一つ一つ照合しなくても容易に摘発できる。それぞれの印章画像をデータ化しAIに学習させれば真偽を直ちに判断できるためだ。パクパートナーは非対面取引の際に偽造身分証を提出する詐欺行為も根絶できると付け加えた。パクパートナーは「政策情報ポータルの『政府24』で顧客情報確認のためのデータを提供している」とし、「このデータと身分証情報を比較すれば真偽を直ちに確認できる」と語った。
AIを取り入れて業務処理速度を大幅に高められる点も前向きな部分だ。パクパートナーは契約書検討作業にAIを投入したグローバル投資銀行(IB)の事例を紹介し、「以前は契約書の検討に年間36万時間が必要だったが、今では10分しかかからない」とし、「既存の契約書や融資書類を学習したAIが契約書の草案を作成し、誤りを自動で修正する」と述べた。






