韓国雇用労働部が、公共機関の地方移転に伴う人員の配置転換や勤務形態の変更も義務的交渉および争議の対象だという解釈を示した。公共機関の移転の決定自体は争議の対象ではないが、人員の配置転換など労働条件の変動があれば争議の対象になるというものだ。公共機関を移せば本社の人員を動かさねばならず、公共機関の統廃合の際は職員を再配置するのが筋だ。労働部のこうした方針は、労組が「地方移転反対」ではなく労働条件の変動を理由にストライキを行う場合に合法的な土台を敷いてやったのと変わらない。典型的な「目隠しごまかし」行政である。
第2次の公共機関地方移転は李在明大統領の中核的な国政課題だ。首都圏所在の公共機関350カ所余りについて「残留最小化」の原則を適用し、今年中に移転計画を確定して来年から移転に着手する方針だ。地方移転と合わせて、類似・重複機能の一元化、子会社の統合、インフラ機関の戦略的再配置などを通じ、公共機関の約20%に当たる109機関の統合・削減も並行する。盧武鉉政権が設計した第1次移転が地域発展を十分に牽引できなかっただけに、第2次移転は必ず成功させるという強い意志も示した。
問題は、労働部が「問題の多い」黄色い封筒法(改正労働組合法)には手をつけず、案件が生じるたびに施行指針を打ち出し、混乱と副作用を量産している点だ。同法は争議の対象を「労働条件に影響を及ぼす事業経営上の決定」に拡大した。第1次移転は法的拘束力なしに労政協議の形で進められたが、第2次移転は事実上、労組の同意がなければ不可能な構造だ。最初のボタンから掛け違えた同法が結局、公共機関移転の足を引っ張る「国政の足かせ」となった格好だ。
労働団体が早くから「地方移転不可」の闘争に乗り出している状況で、同法は闘争とストライキを正当化する法的な囲いとなる余地が大きい。民主労総は政府糾弾の声明を出し、国策銀行が含まれる金融労組はゼネストの集会も開いた。同法という強力な後ろ盾があるからだ。同法の改正なしに公共機関の地方移転の成功を望むのは、井戸で湯を求めるに等しい。案件ごとに応急のばんそうこうを貼り重ねるのではなく、同法自体に手を入れるのが根本的な解決策だ。






