アニメ「シュレック」「カンフー・パンダ」を生み出したハリウッドの大物、ジェフリー・カッツェンバーグ・ドリームワークス創業者が、プロの映画制作者を狙った映像生成人工知能(AI)スタートアップを設立する。AIが著作権を侵害し創造性を阻むとして反発してきたハリウッドの内部から、AIを導入しようとする試みが始まった。
9日(現地時間)、米情報技術(IT)専門メディアのジ・インフォメーションは、自ら設立した技術投資会社ワンダーコ(WndrCo)を率いるカッツェンバーグが、オープンAIの映像生成AI「ソラ(Sora)」を統括したビル・ピーブルズ氏、ドロップボックスの元最高財務責任者(CFO)スジャイ・ジャスワ氏とともにスタートアップ設立を進めていると報じた。まだ社名も明らかになっていない新興企業だが、超大型ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツを含む潜在的投資家らと大規模な資金調達に向けた協議を進めているとされる。
最近はAIで生成された映像や脚本、さらにはAI俳優まで登場し、ハリウッドでは強い反発が起きてきた。一例としてバイトダンスが今年2月に公開した「シーダンス」は、短い命令文(プロンプト)だけで実際のハリウッド俳優が登場する映画の一場面のような映像を瞬時に作り出し、話題を集めた。しかしシーダンスは大手ハリウッドスタジオやストリーミングプラットフォームとの相次ぐ著作権紛争で3月に投入を暫定的に中断し、その後は米国を除くグローバル各国に限ってサービスを開始した。
こうした状況下、ハリウッドの「生え抜き」であるカッツェンバーグが映像生成AIの世界に飛び込んだことは、以前とは変わったハリウッドの潮流を示している。カッツェンバーグはパラマウント・ピクチャーズを経てウォルト・ディズニー・スタジオ会長に就任し、ディズニーの黄金期を導いた人物だ。その後、スティーブン・スピルバーグ監督、「ゲフィン・レコード」のデビッド・ゲフィン氏と設立したドリームワークスは、シュレックでアカデミー賞初の長編アニメ賞を受賞し成功神話を書いた。
ハリウッドで成功した制作者である彼がAI映像に関心を示したことは、ハリウッドがもはやAIから目を背けられない現実と重なる。開発者出身ではなく、メジャースタジオを率いてきた彼が作る生成型映像AIがどのような差別化を示すのかにも関心が集まる。ただ、映像生成AIに求められる膨大な投資費用とコンピューティング資源は解決すべき課題だ。映像生成AIの代表格だったオープンAIのソラは、投資負担と会社の戦略変更により今年初めにサービスを終了した。






