イラン戦争の激化・拡大リスクが高まり、国際原油価格が1バレル100ドルを突破し、国債金利が天井知らずに跳ね上がっている。10日のニューヨーク市場でウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は前日より6.7%急騰し、5月以来の最高値である102.48ドルを記録した。ホルムズ海峡が封鎖される中、親イラン反政府勢力のフーシ派が紅海の要路を掌握し、世界の原油・物流サプライチェーンが二重に断たれる懸念が高まったためだ。供給網の不安とインフレ圧力が増幅すると、金融市場も揺れている。米10年物国債金利が5%に接近し、30年物が19年ぶりの高水準に上昇するなど世界的な「金利発作」が現実化し、11日の韓国国庫債3年物金利は2年10カ月ぶりに4%を突破した。
高油価・高金利に見舞われた韓国経済は再び複合危機の波に直面した。中東発の物価高の長期化で金利引き上げ圧力が高まれば、家計・企業の負担が増すのは避けられない。この場合、融資の不良化に伴う金融不安が実体経済に波及するのは時間の問題である。石油価格を統制してなお3%台に入った物価上昇率を、政府がいつまで抑え込めるのかも疑問だ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道通りなら、戦争は長期消耗戦へと展開する可能性が大きい。ホワイトハウス内でも、ドナルド・トランプ大統領の任期が終わる2029年1月まで戦争が続く可能性が取り沙汰されているという。いつ落ち着くとも知れない原油価格を抑え込むために、いつまでも財政を投入することはできない。欧州中央銀行(ECB)は10日、今年2度目の政策金利引き上げを断行し、来年末までに物価目標の2%達成は困難だと予告した。
戦争の長期化や世界的な金融引き締め、米国の関税措置など経済を脅かす対外不安要因に備えるには、強固な財政に支えられた経済の基礎体力を備えねばならない。半導体の好況で名目国内総生産(GDP)が伸び、税収が増えたからと無駄に資金を放出し、成長の火種を生かす財政余力までも底を突けば、持続可能な成長はもちろん潜在的な危機への対応も難しくなる。それにもかかわらず、政府が45兆ウォン規模の未来対応基金の半分を趣旨に合わない現金給付型の支援などに投入するなら、国家経済を守る最後の砦を自ら崩すに等しい。長期化する世界的な不確実性を耐え抜くには、盤石な財政の防波堤を築き、金融・実体経済のリスク対応に万全を期さねばならない。






