人工知能(AI)の速度調整論が、米国の11月中間選挙の争点として急浮上している。ドナルド・トランプ米大統領はAI開発を遅らせれば中国だけが喜ぶとして連日、速度調整論を猛攻撃する一方、民主党もAI開発にブレーキが必要だとして声を高めている。
トランプ大統領は14日(現地時間)、1日で3回もAI速度調整論を猛非難した。同氏はトゥルース・ソーシャルに「AIとデータセンターを狙った病んだ陰謀論がある」とし、「これを喜ぶ唯一の国は中国だ」と述べた。
トランプ大統領がAIの発展を遅らせてはならないと主張するのは、中国との競争があるためだ。AIは単純な技術競争を超え、産業、経済、軍事などあらゆる分野で国家の命運を左右するものであり、中国が速く動いているのに米国だけが国内の反発で速度を落としてはならないというのがトランプ大統領の考えだ。この日、トランプ大統領は「AIで勝つ者が勝利する」とし、「AIとデータセンターは石油、金、ダイヤモンド、さらにはインターネットよりも大きい、歴史上最も偉大な経済発展の原動力になるだろう」と強調した。
CNNは、AI速度調整論によってAIバブルが崩壊し、トランプ大統領の政治的立場が揺らぎかねない点も、トランプ大統領がAI速度調整論を猛非難する理由だと分析した。実際に業界から速度調整論が出て、この日フィラデルフィア半導体指数は5.9%急落するなど、AI関連の指数は一斉に下落した。さらに、トランプ大統領をはじめとする「AI加速主義同盟」は、業界の先頭走者が自らに有利な規制をつくるためにこうした速度調整論を持ち出したとみている、と米オンラインメディアのアクシオスは伝えた。
これに対し民主党は、規制が急務だと強調している。特に、AIの代表的インフラであるデータセンターが電気料金の引き上げや各種騒音などを引き起こし、米国の有権者の反感が高まる中、AI反対論を掲げて票を狙う戦略を立てている。
米政治専門メディアのポリティコは、最近、民主党の中核戦略家がAIへの対応策を議論するためワシントンDCで非公開会議を開いたと報じた。この場で、ゾーラン・マムダニ・ニューヨーク市長選の選挙キャンペーンを率いた戦略家モリス・カッツ氏は「もしハキーム・ジェフリーズ下院民主党院内総務とチャック・シューマー上院民主党院内総務が明日手を組み、『民主党が多数党を占めれば、まずデータセンター建設禁止法案を通過させる』と言えば、民主党はより多くの議席を確保できるだろう」と述べた。
クリス・クーンズ上院議員(民主、デラウェア)は「AIがもたらす実存的リスクについて憂慮する米国人を『反逆者』や『裏切り者』と呼ぶことは、トランプ大統領が現状を正しく理解していないというもう一つの証拠だ」として、議会の措置を促した。この日トランプ大統領はAI速度調整論について「陰謀論者、反逆者、裏切り者、そして情報漏えい者は気をつけろ!」と書いた。バーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント)など進歩派は、そもそもAI研究を中断すべきだという主張もしている。民主党は今週、議員総会を開いてAI速度調整計画について合意する計画だ。
共和党陣営でも、AI規制論に同調する声が一部出ている。米国の非営利団体フューチャー・オブ・ライフ研究所が15日に「親人間総会」を開き、AIの人類脅威論の実体を診断する予定だが、この場にサンダース議員と、米国を再び偉大に(MAGA、マガ)の代父格であるスティーブ・バノン・トランプ第1期前ホワイトハウス首席戦略官が参加する。アクシオスは「進歩運動の代表的人物と、マガ陣営の有力な声が意外な同盟を結んだ」と評価した。






